新鉱物 » 電子顕微鏡室/Electron Microscope Section

新鉱物

 

「鉱物」とは自然界に存在する物質のうち「地質作用で生じる,一定の化学組成と結晶構造をもつ固体物質」のことを指す。宇宙が誕生し,星々が作られ,地球が生まれ,大地や海ができて今の姿になる,その過程(地質作用)で生まれた物質が鉱物である。地球に飛来した隕石,月の石,はやぶさが持ち帰った小惑星のかけらも鉱物からできている。つまり鉱物には地球や太陽系だけでなく宇宙の歴史が刻まれている。

鉱物は,一部の例外を除くと,一定の化学組成と規則的な原子の並び(結晶構造)を持つ。それは化学組成と結晶構造を基準に個々を区別できることを意味しており,個々は分類学上の「種(しゅ)」という基本単位となる。この分類法を用い現時点では約5,000 種の鉱物が知られている。地球を未解読の古文書」にたとえると,鉱物は「単語」にあたり,鉱物の中身である化学組成と結晶構造は単語を構成する「文字」とみなすことができる。もし新しい鉱物を見つけたら,それは古文書解読のためのキーワードを新たに見つけたに等しい。

これまでに知られていなかった新しい鉱物は「新種」であり,鉱物の場合はその「新種」のことを「新鉱物(new mineral)」と言う。ただし新鉱物は勝手に名乗ることはできない。1958年に国際鉱物学連合(Internal Mineralogical Association)が設立し,1959年からは専門の委員会で新鉱物の審査と承認が行われるようになっている。その専門員会は設立当初からは名を変え,今では新鉱物・鉱物・命名委員会(Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification)となり,新鉱物のみならず既存の鉱物も含めその分類を一手に担っている。新鉱物を名乗るにはこの委員会の厳しい審査を乗り越える必要がある。

新鉱物の発見,それは世界初の栄冠を獲得するということでもあり,その課題に挑戦し栄光を勝ち取るにはなによりもチャンスに気づくことが大切である。ここでは自身が発見に関わった新鉱物について,発見の経緯や研究経過などなど,論文には書けないことを書いておきたい。学術的なことにもふれているが詳細は論文を読んでください。

承認されたものについて,徐々に記していきます。
もちろん?不定期更新です。
日本から発見された新鉱物たちの一覧はこちらを参照ください。


  1. ランタンピータース石 / Petersite-(La) (2017-089)
  2. 金水銀鉱 / Aurihydrargyrumite (2017-003)
  3. 神南石 / Kannanite (2015-100)
  4. 豊石 / Bunnoite (2014-054)
  5. 三崎石 / Misakiite (2013-131)
  6. 伊予石 / Iyoite (2013-130)
  7. ランタンフェリアンドロス石 / Ferriandorosite-(La) (2013-127)
  8. ランタンフェリ赤坂石 / Ferriakasakaite-(La) (2013-126)
  9. 今吉石 / Imayoshiite (2013-069)
  10. 岩手石 / Iwateite (2013-034)
  11. 足立電気石 / Adachiite (2012-101)
  12. ランタンバナジウム褐簾石 / Vanadoallanite-(La) (2012-095)
  13. 箕面石 / Minohlite (2012-035)
  14. 伊勢鉱 / Iseite (2012-020)
  15. イットリウム高縄石 /Takanawaite-(Y) (2011-099)
  16. 宮久石 / Miyahisaite (2011-043)
  17. 愛媛閃石 / Chromio-pargasite (2011-023)
  18. 桃井石榴石 / Momoiite (2009-026)
  19. ストロンチウム緑簾石 / Epidote-(Sr) (2006-055)

 

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