Scope

計算物性物理学は近年のコンピュータハードウェアおよび応用技術の進歩によって急速に進展しつつある分野である．物性研究所スパコンユーザコミュ ニティは，物性研共同利用スパコンを核として，この分野の研究を推進してきた．この分野における現在の大きな課題は，新しいアーキテクチャに基づ くコンピュータを効果的に活用，とくに大規模並列化をどうするかという問いに答えることである．この動向に対応する国家プロジェクトとして平成 ２３年に始まった文科省によるＨＰＣＩ戦略プロジェクトの分野２「新物質・エネルギー創成」において，物性研究所は代表機関を担っており，平成 ２３年４月，計算物質科学研究センターを設置した．同時に，京コンピュータを用いたプログラム開発を推進するため，神戸ポートアイランドにセン ターの分室を開設した．大規模並列化を キーワードとした大規模プロジェクト開始年度，およびそのためのソフトウェア開発プロジェクトである次世代 ナノ統合シミュレーションソフトウェアプロジェクトの終了にあたって，スパコン共同利用の成果を総括し，今後の発展へのヒントを見出すためにこの 研究会を開催する．