第一原理計算手法の継続的な発展は、量子デザイン手法として使用可能な予測能力を持つことが示されつつあるという段階に達してきました。加えて、これまで困難と考えられてきた、非局所短距離および長距離の電子相関効果の取り扱い、サブミクロンスケールに届きうる計算規模の確保など、幾つかの課題に対して解答を得る見通しがたってきております。加えて、各種デバイス設計に適用する際に必須となる、各種外場中での電子状態決定、伝導特性決定にも幾つかの進展が見られています。こうした第一原理電子状態計算手法に則った物質開発・デバイス開発への取り組みが、理学的興味、工学的関心の両面から重要視されるようになってきた現状について、特に、電子状態計算の基礎理論としての側面から課題の本質に迫る討論を行うことを目的とした研究会を開催致します。