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量子物質セミナー:フォノン磁気カイラル効果

日程 : 2019年5月10日(金) 1:00 pm - 2:30 pm 場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 講師 : 野村 肇宏 氏 所属 : 物性研究所・国際超強磁場科学研究施設 世話人 : 山下穣 (63350)
e-mail: my@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

物質における非相反物性は、ダイオードやサーキュレーターといった機能性に結びついていることから、近年益々の注目を集めている。磁気カイラル効果は、カイラルな物質に磁場を印加した際に、磁場に並行と反平行で異なる輸送特性を示す現象である。この非相反物性は輸送粒子(準粒子)の偏光状態に依存しないことから、全ての輸送現象で期待される。これまでにフォトン、エレクトロン、マグノンで報告例があったのに対し、フォノン、すなわち格子物性では観測例が無かった。我々はカイラルフェリ磁性体Cu2OSeO3に着目し、超音波音速測定からフォノンの磁気カイラル効果を実証することに成功した[1]。本セミナーではこれまでの研究を振り返るとともに、今後の展開について考察する。

[1] T. Nomura et al., PRL 122, 145901 (2019).


(公開日: 2019年05月07日)