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動的平均場法による多極子感受率と多極子相互作用の導出

日程 : 2023年3月28日(火) 4:00 pm - 5:00 pm
* Zoomを利用したハイブリッド形式での開催
場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 講師 : 大槻純也 所属 : 岡山大学異分野基礎科学研究所 世話人 : 吉見一慶 (ex. 63451)
e-mail: k-yoshimi@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

近年、動的平均場近似によって多体効果を考慮した強相関化合物の電子状態計算法、いわゆるLDA+DMFT法(またはDFT+DMFT法)が急速な発展を見せている。この方法を用いることで、3d軌道や4f軌道などの局在性の強い軌道を含む電子状態を記述することが可能となる。それにより、電子の局在状態における磁性(多極子秩序)や遍歴状態における磁性と超伝導も統一した近似で議論できるようになると期待される。
我々は、この方法論により多極子感受率を評価することで、強相関化合物の多極子相転移の予測を目指して研究を行っている。講演では特に、この研究に関する下記の2つの進展について紹介したい。

・強相関極限で厳密なベーテ・サルペータ方程式の近似公式 [1]

・4f電子系の多極子秩序の典型物質であるCeB6への応用 [2]

ひとつめは、多極子感受率の計算でネックとなる軌道数の4乗に比例した成分数を持つベーテ・サルペータ方程式の扱いを簡略化するものである。ふたつめでは、第一原理計算と組み合わせた計算により、CeB6における反強四極子秩序(II相)の相転移温度が適度な精度で見積もられた例を紹介する。
[1] J. Otsuki, K. Yoshimi, H. Shinaoka, Y. Nomura, Phys. Rev. B 99, 165134 (2019)
[2] J. Otsuki, K. Yoshimi, H. Shinaoka, H. O. Jeschke: arXiv:2209.10429

Zoomを利用したハイブリッド形式での開催を予定しています。
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(公開日: 2023年03月17日)