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核磁気共鳴測定で探る正方格子スピン系の圧力効果

日程 : 2021年6月24日(木) 12:15 pm - 1:15 pm 場所 : オンライン(Zoom) 講師 : 武田晃 所属 : 凝縮系物性研究部門 山下研究室 助教 主催 : 量子物質研究グループ 世話人 : 松永隆佑 (63375)
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

最近接格子間に磁気的相互作用J1、次近接格子間にJ2が働く正方格子スピン系は磁気的相互作用の競合するフラストレート磁性体として興味が持たれている。反強磁性的な相互作用J1がJ2に比べて十分強い場合にはチェッカーボード状に反強磁性スピンが配列した磁気秩序相が現れ、逆にJ2がJ1に比べて強ければストライプ状の磁気秩序相が実現する。二つの磁気相はJ2/J1~0.5で切り替わり、その狭間にはスピン液体の出現が予想されている。しかしながら、これまでに合成されたモデル物質はいずれも反強磁性秩序を示し、狭間の相の発見には至っていない。
我々は、圧力によりJ2/J1を制御することで中間相の探索を試みた。本発表では、圧力下で二つの反強磁性相の間の転移が生じるMo酸化物[1]を紹介したい。我々は圧力下において核磁気共鳴測定を行い、圧力印加による磁気構造の変化と磁気相転移の原因と思われる構造転移を明らかにした[2]。発表では、まず、核磁気共鳴測定により得られる物質中の内部磁場の情報が磁性や電子状態の解明に如何に役立つのかについて説明し、次いで詳しい実験結果を紹介したい。
[1] H. Ishikawa et al., Phys. Rev. B 95, 064408 (2017).
[2] H. Takeda et al., Phys. Rev. B 103, 104406 (2021).

参加をご希望の方は、下記googleフォームよりご登録ください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdgLmRNYBsc_ufMFCG2VjYMfnWmyiSGT9vbRxbsMz3rocuyHg/viewform


(公開日: 2021年06月15日)