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原子層合金の安定構造に基づく新たなマテリアルデザイン

日程 : 2021年6月9日(水) 4:00 pm - 5:00 pm 場所 : ZOOM開催 (下記リンク先にて事前登録をお願い致します) 講師 : 小野 頌太 氏 所属 : 岐阜大学工学部電気・電子情報工学科 世話人 : 尾崎 泰助
e-mail: t-ozaki@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

グラフェンやシリセンなど様々な「原子層半導体」の物性研究が活発に行われているが、「原子層合金」の合成例は少なく、その安定構造の理解は進んでいない。また、グラフェンの積層がグラファイトであるような構造間の相関関係、より一般には「2D構造とそれをビルディングブロックとする3D構造の安定性関係」が合金において存在するのかどうかは明らかではない。このような背景のもと、我々の研究グループでは形成エネルギーやフォノン計算に基づく「原子層合金科学」を展開している(単純金属 [1]、ポロニウム [2]、Lennard-Jones結晶 [3]、二元合金 [4]、Pb-Sb表面合金 [5]、Cu規則合金 [6,7])。本セミナーでは、上述の安定性に関する相関関係が存在することを示した最近の第一原理計算結果を報告する。まず、2D単純金属の積層による3D単純金属の安定化を議論する [1,2]。次に、Cu規則合金に焦点を絞り、同様の安定性関係が成立することを示し、BhやL11構造などの準安定構造の存在を予言する [7]。また、3D規則合金の実験的合成の有無が2D構造の安定性を決める例を示し、新たなマテリアルデザインの方法を模索する [4]。

[1] S. Ono, Phys. Rev. B 102, 165424 (2020).
[2] S. Ono, Sci. Rep. 10, 11810 (2020).
[3] S. Ono and T. Ito, Phys. Rev. B 103, 075406 (2021).
[4] S. Ono and H. Satomi, Phys. Rev. B 103, L121403 (2021).
[5] S. Ono, J. Yuhara, and J. Onoe, Chem. Phys. Lett. 776, 138696 (2021).
[6] S. Ono and D. Kobayashi, Phys. Rev. B 103, 094114 (2021).
[7] S. Ono, arXiv:2105.05499.

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(公開日: 2021年05月24日)