研究会報告

  「高輝度放射光がめざす戦略的応用研究」

      「Technology Vision SR 2010」シンポジウム

        東京大学大学院工学系研究科 尾嶋正治(実行委員長)

 本シンポジウムはVSX高輝度光源利用者懇談会、物性研、日本放射光学会が主催、千葉県が後援して、1998年3月6日(金)、7日(土)の両日にわたって物性研講義室において開催された。約110名の研究者が北は北大から南は琉球大まで日本国中から集まって、活発な議論を繰り広げた。

 シンポジウムの目的は、VUV/SX高輝度光源を用いてどのような「先端学際領域」の斬新な研究が展開出来るかを展望することである。具体的には、2010年にどのような技術が確立し、どのようなサイエンスが可能か?を目的として開催された。そのため、同じ「高輝度光の仲間」であるレーザー研究者をも大きく巻き込んで大胆な議論を展開した。多くの参加者に喜んで頂け、また辛口のY先生(PF)からも「今回のシンポはいつになく面白かった」と評価して頂けた。

 第1日目の夕方に約1時間半かけてパネル討論を行った。まず宮原氏(都立大理)に「高輝度放射光におけるボーズ縮重度制御」と題して講演して頂き、引き続いて1)レーザー研究者からの注文、2)2010年放射光生命科学の夢、3)2010年放射光物質科学の夢、の3テーマについて熱い議論を行った。討論内容をその夜にテープ起こしをやり(村松氏、小野氏)、次の日に発言者に電子メールで送ってチェックしてもらった。大幅な修正(!)をされた人もおられて、どうしようか迷ったが結局それを尊重して原稿を作った。23人の講演者の方々にはシンポまでに10ー22枚の原稿を予め提出してもらったので、討論原稿とともにすぐに印刷所に駆け込んで4月15日発行の約束を守った。りっぱな(?)表紙も付けられた。参加者のみなさんには出きたての熱い料理を食べて頂けたものと自負している。Proceedings(全320ページ、限定300部発行:郵送料込みで2,500円)はまだ50部くらい残部があるので、VSX事務局にお申し込み頂ければお送りします。

 今回の議論を十分に尊重して世界に向けて発信出来る高輝度光源研究センターにしていく必要があると痛感した。懇親会では大量のアルコールを準備し、実行委員の松井氏からの差し入れ(ウイスキー4本)もあったが、参加者のすごい熱気でほぼ飲み尽くされてしまった。本シンポジウムの事務局としていろいろ気配りをして頂いた物性研秘書の宇野知左子女史に感謝したい。

写真 熱心な討論。柳下氏から「もっと高輝度放射光の特徴を主張せんといかん!」


記事内容に関するお問い合わせ
注)このページは学生が作成を代行しています。ページに関するお問い合わせ はここにお願い致しま す。

Thursday,20,August,1998

NEWSLETTER No.3 目次

高輝度光源利用者懇談会

軌道放射物性研究施設