概要

本装置はJRR-3冷中性子導管実験孔C3-1-1に設置されている中性子非弾性散乱用の分光器である。5連のPG002モノクロメーターにより特定波長(4.22Åまたは5.50Å)の中性子ビームを取り出し、それを2連のフェルミチョッパーによりパルス化する(パルスの半値全幅は30μsまたは 12μs)。これを試料に照射し、試料によって散乱された中性子を試料から1.8m離れた多数の中性子検出器(散乱角10°から130°まで1°毎に置かれている)によって同時に測定する。中性子の飛行時間と散乱角に対する強度データから、中性子と試料のエネルギー遷移および運動量遷移の頻度(動的構造因子S(Q,ω))を決定することができる。 非弾性散乱データからは原子やスピンの励起の情報(例えばフォノンやマグノンの分散関係や状態密度)を、準弾性散乱データからは緩和の情報(拡散係数やジャンプ距離など)を詳細に解析することができる。これらのデータから、伝統的な物性物理分野のダイナミクス研究のみならず、近年盛んな液体科学、生命科学、材料科学などの分野の研究を幅広く行うことができる。