マクロ写真館

 

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苦土普通角閃石 / Magnesio-hornblend
苦土普通角閃石 / Magnesio-hornblend
苦土普通角閃石 / Magnesio-hornblend
Ca2(Mg4Al)(Si7Al)O22(OH)2
愛媛県関川

苦土普通角閃石の根源名である「Hornblend」は具体的に命名された経緯はなく、そのものを指す言葉が継続的に使われた結果として定着した鉱物名である。有用鉱石と見た目が似ていながらも、実際には金属を含んでいないので「欺く:blenden」という意味、それから角閃石の見た目の「角:horn」という意味の古いドイツ語に由来し、1789年にAbraham Gottlieb Wernerによって初めて使用されたとされる。そしていつの間にか「Horunblend」が学名として定着し、様々な岩石において普通の造岩鉱物であることから和名においては「普通角閃石」という冴えない呼称となっている。また現在の角閃石の分類では、マグネシウム(Mg)を主成分とする角閃石について苦土(magnesio)という接頭語を付けないことが基本となっているが、苦土普通角閃石は例外的に「苦土」をつけることが決められている。

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カトフォル閃石 / Katophorite
カトフォラ閃石 / Katophorite
カトフォル閃石 / Katophorite
Na(NaCa)(Mg4Al)(Si7Al)O22(OH)2
愛媛県四国中央市伊予鉱山

カトフォル閃石はノルウェイのいくつかの産地から同時に記載され、アルベソン閃石に対して光学Z軸がやや異なることから、「下に移動する」という意味のギリシャ語に因んで命名された。ただしそのオリジナルの角閃石は鉄に富み、現在の分類ではフェロカトフォル閃石に該当する。そのため、現在の分類が成立した2012年以降、カトフォル閃石は名前と化学組成が定義されているのみで実物の無い仮想的な存在となった。そして2013年になりミャンマーから見出されたカトフォル閃石が改めて模式標本として記載された。伊予鉱山で普通に産出する角閃石を分析して見ると、それはカトフォル閃石であった。

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エッケルマン閃石 / Eckermannite
エッケルマン閃石 / Eckermannite
エッケルマン閃石 / Eckermannite
NaNa2(Mg4Al)Si8O22(OH)2
新潟県糸魚川市青海川

エッケルマン閃石は1942年にスウェーデンの Norra Kärrから見いだされた角閃石について、岩石学者のHarry von Eckermannに因んで名付けられた。しかしその後に模式標本はエッケルマン閃石とは異なることが明らかとなり、エッケルマン閃石は名前と化学組成が定義されているのみで実物の無い仮想的な存在となった。2013年になりエッケルマン閃石に該当する鉱物がミャンマーから見いだされ、ミャンマー産エッケルマン閃石が改めて模式標本となった。日本では青海川の転石で、特にコスモクロアを伴う岩石の主要構成鉱物として産出する。

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カミントン閃石 / Cummingtonite
カミントン閃石 / Cummingtonite
カミントン閃石 / Cummingtonite
Mg2Mg5Si8O22(OH)2
宮城県川崎町本砂金安達

カミントン閃石はアメリカマサチューセッツ州のカミントンという地域から見いだされて命名された角閃石で、安山岩や珪質の火山岩の斑晶としてよく含まれる。よく見られる角閃石の一種であり産地は世界中に知られる。安達においては青色の菫青石が有名であるが、カミントン閃石を多く含む岩石もよく見られる。

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透閃石 / Tremolite
透明閃石 / Tremolite
透閃石 / Tremolite
Ca2(Mg5.0-4.5Fe2+0.0-0.5)Si8O22(OH)2
新潟県糸魚川市青海川

透閃石はスイスのTremola村から見いだされたことから命名された角閃石でカルシック角閃石に分類される。透閃石はマグネシウムを主成分とし、二価鉄(Fe2+)側の端成分はフェロアクチノ閃石であるが、その間にアクチノ閃石が設けられている。そのため透閃石の化学組成の範囲は例外的に狭く、Mg5.0-4.5Fe2+0.0-0.5のものに限られる。日本では青海川の転石でよく見られる。

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パーガス閃石 / Pargasite
パーガス閃石 / Pargasite
長野県富士見町

パーガス閃石 / Pargasite
愛媛県睦月島

パーガス閃石 / Pargasite
NaCa2(Mg4Al)(Si6Al2)O22(OH)2

パーガス閃石はフィンランドのパーガス村から最初に見いだされ、発見地の名前に因んで命名された。産状や形態も非常に多様な角閃石で、化学組成も複雑なために分析無しに同定することはほぼ不可能。富士見町の角閃石は安山岩の斑晶として含まれており、一般には普通角閃石と言われているが分析してみたところパーガス閃石であった。愛媛県睦月島ではパーガス閃石は石灰岩中のレンズとして産出する。

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フェロゼードル閃石 / Ferro-gedrite
フェロゼードル閃石 / Ferro-gedrite
フェロゼードル閃石 / Ferro-gedrite
□Fe2+2(Fe2+3Al2)(Si6Al2)O22(OH)2
岐阜県恵那市笠置町河合鉱山

根源名のゼードル閃石はフランスのGèdresから最初に見つかったことから命名された。和名では礬土直閃石(ばんどちょくせんせき)と呼ばれることがあるが、カタカナ読みのほうが良いと思える。フェロゼードル閃石はマグネシウム(Mg)を端成分とするゼードル閃石からみて、二価鉄(Fe2+)の置換体に該当する。河合鉱山のフェロゼードル閃石はかつてアルミニウムに富む鉄直閃石と呼ばれていたが、科博の研究チームによってフェロゼードル閃石と同定された。写真の標本を分析してみたとこと確かにフェロゼードル閃石であった。

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カリ苦土アルベソン閃石 / Potassic-magnesio-arfvedsonite
カリ苦土アルベソン閃石 / Potassic-magnesio-arfvedsonite
カリ苦土アルベソン閃石 / Potassic-magnesio-arfvedsonite
KNa2(Mg4Fe3+)Si8O22(OH)2
大分県佐伯市下払鉱山

根源名のアルベソン閃石は1823年に命名され、リチウム(Li)の発見者であるJohan August Arfvedson(1792-1841)に因んでいる。そしてカリ苦土アルベソン閃石に該当する角閃石はイギリスで1982年に見出されていたが、鉱物種としてはブルガリア産の標本を用いた研究によって2016年に新種に認定された。下払鉱山ではナマンシル輝石を含み紫色を帯びた岩石を切る小さい脈中に、淡青色の繊維状集合となってカリ苦土アルベソン閃石が産出する。

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リーベック閃石 / Riebeckite
リーベック閃石 / Riebeckite
リーベック閃石 / Riebeckite
Na2(Fe2+3Fe3+2)Si8O22(OH)2
高知県本山町下川鉱山

本山町にある下川鉱山は白滝鉱山の支山として稼働し、含銅硫化鉄鉱鉱床で黄銅鉱や斑銅鉱を主要鉱石としていた。広大なズリが残っており、その中に黄銅鉱を含む暗青色の角閃岩が点在する。主体となる角閃石は鉱物種として藍閃石(Glaucophane)と言われているが、調べてみたところリーベック閃石であった。根源名としての藍閃石とリーベック閃石はアルミニウム(Al)と三価鉄(Fe3+)の多少で説明され、アルミニウム>三価鉄ならば藍閃石で、三価鉄>アルミニウムならリーベック閃石となる。リーベック閃石はドイツ人探検家・鉱物学者・民俗学者のEmil Riebeck (1853-1885)にちなんで1888年に名付けられた。

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フェリウィンチ閃石 / Ferri-winchite
フェリウィンチ閃石&トワイディル石
愛媛県砥部町古宮鉱山。ブラウン鉱石中の白色繊維状の鉱物がフェリウィンチ閃石で、濃赤色の粒はトワイディル石(Twiddellite)。

フェリウィンチ閃石 / Ferri-winchite
和歌山県禰宜鉱山

フェリウィンチ閃石 / Ferri-winchite
(NaCa)(Mg4Fe3+)Si8O22(OH)2

根源名のウィンチ閃石(Winchite)はイギリス人地質学者Howard J. Winchに因んで命名され、アルミニウム(Al)を主成分とするウィンチ閃石からみてその三価鉄(Fe3+)の置換体となる角閃石がフェリウィンチ閃石である。最近は角閃石をよく分析しているところで、フェリウィンチ閃石はなかなか多様な産状を示すことがわかってきた。古宮鉱山ではブラウン鉱石中の白色繊維状で産し、分析結果を解析したところ少量のリチウム(Li)が含まれると思われる。禰宜鉱山産はリーベック閃石に似た青緑色を示すが、組成はフェリウィンチ閃石に該当していた。

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鉄水鉛華 / Ferrimolybdite
鉄水鉛華 / Ferrimolybdite
鉄水鉛華 / Ferrimolybdite
Fe3+2(Mo6+O4)3·7H2O
栃木県日光市浅田水鉛銅山

二次鉱物である鉄水鉛華は主に輝水鉛鉱の分解によって生じ、黄色の繊維状集合で産出する。古典的な鉱物で発見当時は「含水モリブデン三酸化物(hydrated molybdenum trioxide)」と呼ばれていた。後に鉄も含むことが注目され、鉄とモリブデンに因んだ学名へ変更された。

 Posted by at 8:28 AM

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