BEG模型からのスピングラスへの接近



福島孝治(東京大学)


前回の基研研究会あたりで議論されたように、拡張アンサンブル法の一つの使い方として、系に存在する強い拘束条件をゆるめる方向に拡張軸をとる方向性が示された。しかも、それは非物理的状態であっても緩和を促進するためには有効である例が示された。しかしながら、その後、積極的にこの路線上にある研究は少ないように思われる(結局盛り上がらなかったみたい)。我々はその例として、BEGスピングラス模型のシミュレーションを考える.ここでは通常の拡張アンサンブル法の拡張軸が温度ーエネルギーとは異なり,化学ポテンシャルー粒子数を拡張軸に取るのが自然である.化学ポテンシャルを導入し,粒子数の少ない希釈された系から,粒子数が充填された通常のスピングラス模型に近づく戦略をとる.発表では,その背景と計算結果を議論したい.

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