分子動力学法による高分子ブラシの静的及び動的特性の解析



山本晃介(慶應義塾大学)


高分子鎖を二次元表面に植込んだ時に形成される構造は一般に高分子ブラシと呼ばれる。分子動力学シミュレーションにより、高分子ブラシの静的及び動的特性を調べ、理論や従来のシミュレーションの結果との比較を行う。結果として、静的特性に関しては自己無撞着場理論やスケーリング理論との良い一致を確認した。動的特性に関しては緩和モード解析の方法により緩和時間を調べ、ブロッブモデルによる予測に近い結果を得た。これは、従来のシミュレーション結果や、それを説明するために提案された理論と異なる結果であり、高分子ブラシの緩和がブロッブモデルで十分記述できることを示唆している。

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