日時: 平成19年5月12日(土) 午後1時より午後6時まで
場所: 東京大学山上会館
丸の内線・大江戸線「本郷三丁目駅」,
南北線「東大前駅」よりそれぞれ徒歩10分
電話 03-3818-3008
東京大学(本郷)アクセスマップ
本郷キャンパス山上会館
事前登録: 不要(参加費無料)
シンポジウムポスター: PDFファイル (736KB)


シンポジウム開催趣旨:
近年の目覚しい計算機技術の発展・進歩により、研究室のパソコンから全国のスーパーコンピュータまですべてのスケールの計算機環境が著しく向上し、物性研究者の計算機を利用した研究活動も質的、量的に大きな進展を遂げつつある。特に平成7年度に物性研究専用スーパーコンピュータシステムが東京大学物性研究所の全国共同利用施設として運用を始めてからは、物性研究における計算物理学の発展と分野横断的な計算手法の開発に大きな成果をもたらし、また物性研究そのものに対してもその研究対象を大きく広げ多様な研究分野を育んできた。

今年は、このような物性研究者の計算機環境の向上の礎を築くこととなったプロジェクトである旧文部省科学研究費重点領域研究「計算物理学 ―物性研究における新展開―」(領域代表者:高山一 筑波大教授[当時])が採択されて15周年に当たる。当時の四つの計画研究班の主要研究項目は

 I   第一原理からの物性予測
 II  相関の強い量子系
 III  コンプレックス系における協力現象
 IV 多体系、巨視系のダイナミックス

となっており、これらの研究班を繋ぐ計算テーマとして第一原理分子動力学計算、相関効果を取り入れたバンド計算、量子磁性体の協力現象、非線形・非平衡系の動力学などが挙げられていた。現在においてもこれらが計算物理学の主要な研究テーマ・手法の柱となっていることを考えると、このプロジェクトが計算物理学における物性研究専用の計算機システムの必要性を的確に捉え、その機運を高めたものであったことが理解されよう。

本シンポジウムでは、当時の重点領域研究の四つの計画研究分野を軸として、その採択から現在までの15年にわたる計算物性物理の進展を総括し今後の展開を議論する。さらに、将来の計算物性物理の方向性を見据え、物性研究の計算環境のあり方を考えていきたい。


プログラム:
13:00 -  あいさつ
13:10 - 13:55  常行 真司 東京大学大学院理学系研究科 准教授
   「第一原理からの物性予測」からの進展
13:55 - 14:40  今田 正俊 東京大学大学院工学系研究科 教授
   「計算物理学」と「強相関量子系物理学」の進歩
14:40 - 15:00  休憩
15:00 - 15:45  岡部 豊  首都大学東京 大学院理工学研究科 教授
   「コンプレックス系における協力現象」からの進展
15:45 - 16:30  土井 正男 東京大学大学院工学系研究科 教授
   「多体系・巨視系のダイナミックス」からの進展
16:30 - 16:50  休憩
16:50 - 17:50  高山 一 東京大学物性研究所 教授*
   重点領域研究から15年を経て
 (*:現 Journal of the Physical Society of Japan 専任編集長)


世話人:
 根本 幸児(北大理),  松川 宏(青学大理工),  福島 孝治(東大総合),
 藤堂 眞治(東大工),  吉野 元(阪大理),  富田 裕介(東大物性研)


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