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The diversity and mechanism of light-driven ion-transport by microbial rhodopsins of marine bacteria

Date : Thursday, April 27th, 2017 11:00 am - 12:00 pm Place : Seminar Room 5 (A615), 6th Floor, ISSP Lecturer : Prof.Keiichi INOUE Affiliation : Nagoya Institute of Technology,JST sakigake Committee Chair : Hatsumi MORI (63444)
e-mail: hmori@issp.u-tokyo.ac.jp
Language in Speech : Japanese

海洋や湖沼、河川などに棲む多くの細菌や古細菌、または藻類などは微生物型ロドプシンと呼ばれる光受容型の膜タンパク質を持つ。全ての微生物型ロドプシンは発色団としてall-trans型のレチナールをタンパク質内部に結合している。そしてこのレチナールが光を吸収すると13-cis型へと異性化する共通の光反応を示し、その際に得られる光のエネルギーを使って、様々なタンパク質機能が発現される。中でも特に幅広い生物種で見られるのが光を使ってプロトンを細胞外側へ輸送する外向きプロトンポンプ型ロドプシンであるが、近年我々は海洋性の細菌においてナトリウムイオンを外向きに輸送するものや、内向きにプロトンを輸送するロドプシンがあることを発見した[1,2]。このことは海洋環境中でロドプシンが行うイオン輸送が、これまでに考えられていたものより極めて多様性に富むことを示唆している。またこれらの分子について分光学的および構造生物学的な研究を行うことで、ロドプシンがレチナールの異性化という共通したプロセスからどのように異なったイオンを選択して輸送するかという、そのメカニズムについても明らかにされつつある[2,3]。これらの知見は光で生物の神経伝達などの生理応答を制御するオプトジェネティクス分野で用いられる新規分子ツールの開発にも重要であり、それに向けたロドプシンの機能改変・制御などについても紹介する。

【参考文献】
[1] Inoue K. et al. Nature Commun. (2013) 4, Article number: 1678.
[2] Inoue K. et al. Nature Commun. (2016) 7, Article number: 13415.
[3] Kato H. E. et al. Nature (2015) 521, 48-53


(Published on: Friday March 24th, 2017)