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52nd LASOR seminar

Date : Monday, June 5th, 2017 10:00 am - 11:00 am Place : Meeting Room 1 (A636), 6th Floor, ISSP Lecturer : Dr. Yuu Nagashima Language in Speech : Japanese

近年のレーザー技術の急速な発展を追い風に、光を用いて分子そのものの振る舞いを観察できる振動分光法を応用し、医学における疾患の病態研究や診断につなげる試みが活発化している。従来より分子の同定法として、物理学・化学・生化学の分野で広く用いられてきた振動分光法であるが、生体組織を対象にした顕微分光イメージングを医学研究に役立てようとする際には、いくつかの新しい工夫が必要になる。特に、非常に多くの分子が混在する環境である細胞や組織の内部で測定した振動スペクトルは、複数の分子由来の信号の重ね合わせとなるため、単純にスペクトル波形の比較だけで分子の同定ができない場合が出てくることになる。本講演では、演者の専門である神経内科領域の疾患を対象に、ラマン分光法を用いた疾患病態研究の実際について紹介する。加えて、生体組織の観察において、振動スペクトルが本来持っている分子特異性の情報を最大限引き出すアイデアと、それを実現する顕微鏡の原理について紹介する予定である。

[1] Nagashima, et al., J Chem Phys. 134, 024525 (2011)


(Published on: Monday May 22nd, 2017)