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固体物理学におけるトポロジカルな様相

日程 : 2008年6月2日(月) - 2008年6月22日(日) 場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 世話人 : 甲元眞人、押川正毅
e-mail: tassp@issp.u-tokyo.ac.jp

整数量子ホール効果は、磁場により時間反転対称性が破れることにより引き起こされる顕著な量子現象であり、ホール伝導度はTKNN整数と呼ばれるトポロジカル量に量子化される。 この発見以降四半世紀の間に、これを基にして、トポロジー的な概念に基づく物性理論が大きく発展してきた。最近、電場に垂直なスピン流が発生すると言うスピンホール効果が注目されているが、このような最近のトピックスに関しても、量子ホール効果のトポロジー理論を基礎に理解が進んでいる。また、最近単層グラプァイトのグラフィンに関して、量子ホール効果を含めた実験的な結果が次々と発表されており、2次元電子系のトポロジー的性質を再考する契機となっている。一方、量子スピン系においては、分数化した素励起を持つスピン液体などの新奇な相を記述する概念として、量子ホール効果の研究から発展したトポロジカル秩序が注目されている。
物性理論の今後の発展のためには、個別の現象の議論に止まらず、トポロジー的な見地から統一的に理解することが重要である。このため、今回、上述のようなトポロジーに関連する固体物理学の広範な問題について、世界の第一線の研究者を招聘して国際ワークショップを開催する。

本ワークショップは滞在型であり、インフォーマルな議論や共同研究の機会を提供することを重視する。

http://www.issp.u-tokyo.ac.jp/public/TASSP/


備考 : 物性研究所における滞在型ワークショップに引き続き、(6月22日~6月27日)京都大学基礎物理学研究所においてシンポジウムが開催される。
(公開日: 2008年02月07日)