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赤外極短パルスが駆動する強相関電子系の光誘起相転移と光強電場効果

日程 : 2019年5月20日(月) 10:30 - 12:00 場所 : 物性研究所本館6階 第一会議室 (A636) 講師 : 川上 洋平氏 所属 : 東北大学大学院理学研究科 物理学専攻 世話人 : 松永 隆佑 (63375)
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

電子間のクーロン反発や交換相互作用、電子-格子相互作用などによって、超伝導や強磁性、強誘電性などのエキゾチックな電子状態が現れるのが強相関電子系の特徴である。これらの多彩な電子状態を、光パルスを用いて超高速に制御することが、光科学の目標のひとつである。我々のグループではこれまでに、有機伝導体(電荷秩序絶縁体1) 、ダイマーモット絶縁体2) )や遷移金属酸化物(モットハバード絶縁体)における光誘起絶縁体-金属転移を報告してきた。電子の移動積分tやクーロン相互作用UV、格子振動の振動周期に匹敵する時間幅の極短パルスを用いた実験によって、光照射によって引き起こされる超高速な電子状態の変化や格子変位を、時間軸上で直接追跡することができる。さらに最近は、瞬時電場強度が10 MV/cmにおよぶ単一サイクル赤外パルスを用いた実験から、光の高周波・瞬時強電場が駆動する新奇な現象として、有機金属における電荷局在3) や有機超伝導体における非線形電荷振動4) を捉えている。我々がこれまでに報告してきた、光誘起相転移の超高速ダイナミクスと光強電場効果について議論したい。

Reference:

1) S. Iwai, Y. Kawakami et al., Phys. Rev. Lett. 98, 097402 (2007), S. Iwai, Y. Kawakami et al.,    Phys. Rev. B 77, 125131 (2008), Y. Kawakami et al., Phys. Rev. Lett. 105, 246402 (2010).

2) Y. Kawakami et al., Phys. Rev. Lett. 103, 066403 (2009).

3) T. Ishikawa, Y. Kawakami et al., Nature Commun. 5, 5528 (2014), Y. Naitoh, Y. Kawakami et   al., Phys. Rev. B 93, 165126 (2016), Y. Kawakami et al., Phys. Rev. B 95, 201105(R) (2017), Y. Kawakami et al., J. Phys. B: At. Mol. Opt. Phys. 51, 174005 (2018).

4) Y. Kawakami et al., Nature Photon. 12, 474 (2018).

 


(公開日: 2019年04月22日)