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水と氷のネットワーク構造と物性

日程 : 2017年12月12日(火) 10:00 am - 12:00 pm 場所 : 物性研究所本館6階 第一会議室 (A636) 講師 : 松本正和 所属 : 岡山大学異分野基礎科学研究所 世話人 : 原田慈久 (0791-58-1973 (63401))
e-mail: harada@issp.u-tokyo.ac.jp

水に物質を溶かすと何が起こるか。それに答えるためには、水そのものの性質をよく知る必要がある。水は塩も砂糖も油も気体もプロトンもタンパク質も溶かしてしまうが、単にエントロピーをかせいでいるだけではなく、溶質の種類に合わせて、水自体が構造を変えたり、溶質と一体化してしまったりする。そのため、溶質分子の間に奇妙な引力が働いたり、違う種類の物質を同時に溶かすと意外なことが起きたりする。さらに、物質を溶かすと、氷の結晶構造が大幅に変わり凝固点が上昇することもある。溶媒と溶質を地(背景)と図(主体)として分けてしまえない、これらのさまざまな水和現象を理解する基礎として、水の作る多様な構造と物性を紹介したい。

[1] Matsui, T., Hirata, M., Yagasaki, T., Matsumoto, M. & Tanaka, H. J. Chem. Phys. 147, 091101 (2017).

[2] Matsumoto, M., Yagasaki, T. & Tanaka, H. Phys. Rev. Lett. 115, 197801 (2015).

[3] Yagasaki, T., Matsumoto, M. & Tanaka, H. Phys. Rev. E 89, 020301 (2014).

[4] M. Matsumoto and H. Tanaka, J. Phys. Chem. B, 115, 8257 (2011).

[5] M. Matsumoto, A. Baba, and I. Ohmine, J. Chem. Phys. 127, 134504 (2007).


(公開日: 2017年11月20日)