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X線磁気円二色性で見るスピントロニクス薄膜

日程 : 2022年1月20日(木) 12:15 pm - 1:15 pm 場所 : オンライン(Zoom) 講師 : 坂本祥哉 所属 : 量子物質研究グループ 三輪研究室 主催 : 量子物質研究グループ 世話人 : 松永隆佑 (63375)
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

概要:
強磁性体や反強磁性体を用いた磁性薄膜は、スピントロニクスの発展に伴いその重要性を増している。我々は、分子線エピタキシー法を用いてよく制御された磁性薄膜を成膜し、放射光を用いたX線磁気円二色性(XMCD)によってその性質を調べてきた。本セミナーでは、Fe/MgO界面とカイラル反強磁性体Mn3Sn薄膜に対して行なった最近のXMCDの研究を紹介する。
Fe/MgO界面は大きな垂直磁気異方性とトンネル磁気抵抗効果を示し、スピントロニクス応用の要である。本研究では、Fe/MgO界面の再表面のFeがどのように振る舞うかを深さ分解XMCD法によって調べ、界面において通常の理論よりも大きな軌道磁気モーメントの増強を観測した[1]。
Mn3Snは反強磁性体にもかかわらず、異常ホール効果などの大きな強磁性体的な応答を示す物質として注目されている。これはMn3Snのスピンが逆三角格子構造をとることに起因するが、その帰結の一つとして有限のXMCDが観測されることが提唱されていた。本研究では、Mn3Snの薄膜を成膜し、実際に有限のXMCDの観測に成功した[2]。
[1] S. Sakamot et al., submitted
[2] S. Sakamoto et al., Phys. Rev. B 104, 134431 (2021)

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https://forms.gle/q55wqt4RjZcBFdUd7


(公開日: 2021年12月20日)