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駆動された量子系と幾何学効果

日程 : 2021年9月30日(木) 1:30 pm - 2:30 pm 場所 : ZOOM開催(事前登録を下記リンク先にてお願い致します) 講師 : 岡 隆史 氏 所属 : 東京大学物性研究所 世話人 : 談話会委員 岡﨑 浩三・岡 隆史
e-mail: danwakai@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

 トポロジーに代表される微分幾何学の考え方は、現代の凝縮系物理学において大切な役割を果たしています。 平衡系では、量子状態の幾何学的性質が例えば量子ホール効果などのエキゾチックな現象とどのように関係しているのかは、よく理解されております。一方で、現在は非平衡系、例えば、外場によって駆動された動的な系などの研究も非常に盛んになっています。それらの系においても、幾何学と関係した未知の現象が平衡系と同等かそれ以上に豊富に存在すると考えられますが、その全貌はまだ分かっていません。
数ある非平衡系の中でも、レーザー電場で駆動されたディラック物質は、実験・理論の両面からの研究が可能であり、未知の非平衡現象を調べる上で理想的な系となっています。理論的にも、初等量子物理の知識のみで新しい現象を探索することができる一方で、量子異常やカイラル磁気効果、そしてホログラフィー原理など、高エネルギー物理学に由来した現象や手法の非平衡状態への拡張につながるなど、幾重にも深くそして広い研究が可能です。
本講演では、円偏光レーザー電場照射下のディラック電子系で見られる現象として、フロッケ・ワイル半金属と、幾何学効果を伴うトンネル励起についてできるだけ初等的に説明する。さらに、ホログラフィー原理を用いて得られる強相関模型の相図との比較についても可能な限り触れたい。

【講師紹介】
岡先生は令和2年1月に物性研機能物性研究グループに着任され、非平衡状態の理解に基づいた物質相における機能発現の方法を理論的に研究されています。講演では、特に非平衡状態の幾何学的性質に着目した未知の現象の探索についてご紹介頂けるものと思います。ぜひ皆様ご視聴ください。

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(公開日: 2021年09月10日)