Home >  研究会等 > 第一原理バンド計算からの有効モデル構築

第一原理バンド計算からの有効モデル構築

日程 : 2021年3月26日(金) 4:00 pm - 5:00 pm 場所 : Zoom 開催(事前登録を下記リンク先にてお願い致します) 講師 : 榊原 寛史 氏 所属 : 鳥取大学 世話人 : 杉野 修
e-mail: sugino@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

第一原理バンド計算は物質の全体的な電子構造を決定する手法であるが,揺らぎなどの電子相関効果を計算するコストはかなり大きい.そこで,(1)第一原理バンド計算から低エネルギー有効模型を導出し(2)それを用いて電子相関効果を数値的に計算するという方法がしばし用いられる.いわゆるハバード型の模型の構築については,最局在ワニエ軌道(MLFW [1])がよく用いられる.近年はホッピング積分だけでなく制限RPA法(cRPA [2])を用いて電子間相互作用のパラメータも第一原理的に見積もることができる.しかしながら,MLWFにはいくつかの問題点がある.発表では,MLWF及びcRPAで構築した新規ニッケル酸化物超伝導体[3]について得られた模型を紹介する.そこで,揺らぎ交換近似[4]を適用し水銀系銅酸化物と比較した結果を説明する[5].続いて,LAPW法とLMTO法の融合手法であるPMT基底関数法[6,7]を用いた新しい有効模型構築方法について説明し,それをいくつかの単純な物質に適用した結果を紹介する.

[1] N. Marzari and D. Vanderbilt, Phys. Rev. B 56, 12947 (1997).
[2] F. Aryasetiawan, M. Imada, A. Georges, G. Kotliar, S. Biermann, and A. I. Lichtenstein, Phys. Rev. B 70, 195104 (2004).
[3] D. Li et al., Nature 572, 624 (2019).
[4] N. E. Bickers, D. J. Scalapino, and S. R. White, Phys. Rev. Lett. 62, 961 (1989).
[5] H. Sakakibara, H. Usui, K. Suzuki, T. Kotani, H. Aoki, and K. Kuroki, Phys. Rev. Lett. 125, 077003 (2020).
[6] T. Kotani and M. van Schilfgaarde, Phys. Rev. B 81, 125117 (2010).
[7] T. Kotani, H. Kino, and H. Akai, J. Phys. Soc. Jpn 84, 034702 (2015).

事前登録をリンク先にてお願い致します。


(公開日: 2021年03月12日)