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先端X線光源を利用した新規顕微イメージング技術の開発

日程 : 2020年11月25日(水) 10:30 am - 12:00 pm 場所 : ライブ配信(ZOOM) 講師 : 木村 隆志 所属 : 東大物性研、科学技術振興機構さきがけ 講演言語 : 日本語

X線自由電子レーザーや大型放射光施設などの光源の高度化に触発された、近年のX線分析技術の発展には著しいものがある。こうした先端X線分析技術の発展には、光源性能の向上に加えて、分析を支える各種光学技術の高度化が大きく寄与してきたことは疑いがない。これまで発表者は、精密加工・計測技術を活用したX線光学実験用素子の開発に従事しており、特に先端光源の持つ高輝度やコヒーレンスといった特徴を活かしたイメージング技術の高度化に取り組んできた。

本セミナーでは、発表者が取り組んできたX線イメージング技術開発に関して、X線自由電子レーザーを利用したフェムト秒イメージングと、X線光学実験用素子の高度化に関して紹介を行う。特にX線自由電子レーザー施設SACLAでの実験では、これまで10 nmに迫る空間分解能での液中試料イメージングを実現しているが[1, 2]、液中試料反応のその場観察を目指している、マイクロ流路デバイスや情報技術を活用した新たな手法の開発に関しても述べる。これに関連して、11月頭にSACLAで実験を行った結果についても紹介する予定である。

またX線光学実験用素子の高度化に関しては、波面制御や集光を目的としたX線光学系用高精度形状可変ミラーやそれを使用した新規イメージングシステムの開発のほか[3, 4]、現在研究を進めている軟X線用新規イメージング光学系に関しても、SACLAやSPring-8での試験や東北放射光への展望・構想を踏まえて議論を行いたい。

 

[1] T. Kimura et al., Nature Communications 5, 3052(2014).

[2] J. Wei et al., Journal of the American Chemical Society 138(10), 3274(2016).

[3] T. Kimura et al., Optics Express 21, 9267(2013).

[4] K. P. Khakurel et al., Journal of Synchrotron Radiations 24(1), 142(2017).


(公開日: 2020年11月06日)