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レチナールタンパク質の光機能発現の物理と化学

日程 : 2019年9月5日(木) - 2019年9月6日(金) 場所 : 物性研究所本館6階 大講義室(A632) 世話人 : 井上 圭一 (04-7136-3230 内線63230)
e-mail: inoue@issp.u-tokyo.ac.jp

レチナールタンパク質(ロドプシン)は微生物から動物まで、広範な生物種に存在する光受容型の膜タンパク質である。そしてレチナールタンパク質が光を吸収すると発色団のレチナールが異性化し、様々な種類のイオンの輸送や酵素反応、ヘテロ三量体Gタンパク質活性化など多様な生理機能が発現される。この様な特質から、レチナールタンパク質は光で反応のトリガーをかけることで、フェムト秒から秒オーダーにおよぶ幅広い時間領域わたって、その機能発現に関わる反応素過程の観測が行われ、タンパク質の分子反応ダイナミクスについて詳細な知見が得られてきた。またX線や電子顕微鏡を用いた構造解析や、量子化学および分子動力学計算により、分子の三次元構造とその構造変化メカニズムについて極めて精緻な理解が達成されている。一方で近年の目覚ましいゲノム解析技術の進歩により、1万種類を超える新奇なロドプシン遺伝子が続々と発見され、生物学的な重要性が高まると共に、生体の光操作技術であるオプトジェネティクス分野における中心的な分子ツールとして高い注目を集めている。そこで本ワークショップにおいて、主に最前線の物理学および化学的アプローチによる分子論的な研究を通じて意見交換を行い、レチナールタンパク質についての現状と解決すべき問題や、今後の展望について2日間にわたる討論を行う。
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(公開日: 2019年05月23日)