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非慣性系のスピントロニクス

日程 : 2017年4月21日(金) 2:00 pm - 3:00 pm
* 【※開始時刻を変更しました。】
場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 講師 : 松尾 衛 氏 所属 : 東北大学材料科学高等研究所 世話人 : 加藤 岳生 (63255)
e-mail: kato@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

近年の微細加工技術の進展に伴い、固体中にナノ構造を作り込むことによりスピン角運動量の流れ「スピン流」の制御が可能となり、スピン流を媒介とする様々な物性研究が精力的に行われるようになった。我々はこれまでにスピン流生成に利用されてこなかった、物体の巨視的な回転運動に伴う力学的角運動量とスピン角運動量との相互変換機構の探求を目指している。
 回転運動する物質は非慣性系なので、その物質中のスピン伝導を調べるにはスピントロニクスを非慣性系に拡張する必要がある。本講演では巨視的運動として剛体回転運動[2,3,4,5]、弾性変形運動[6]、流体運動[7]を対象に、力学的角運動量からスピン角運動量への変換機構によってもたらされるスピン制御およびスピン流生成法を理論と実験の両面から紹介する。

[1] S. Maekawa, S. O. Valenzuela, E. Saitoh, and T. Kimura, ed., “Spin Current”, Oxford, 2012.
[2] M. Matsuo et al., Phys. Rev. Lett. 106, 076601 (2011).
[3] H. Chudo et al., Appl. Phys. Expr. 7, 063004 (2014).
[4] M. Ono et al., Phys. Rev. B92, 174424 (2015).
[5] Y. Ogata et al., Appl. Phys. Lett. 110, 072409 (2017).
[6] M. Matsuo et al., Phys. Rev. B87, 180402(R) (2013).
[7] R. Takahashi et al., Nature Physics 12, 52 (2016).


(公開日: 2017年04月11日)