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ダイヤモンドのNV中心を用いた単一スピンレベルでのESR法

日程 : 2018年11月16日(金) 1:30 pm - 3:00 pm 場所 : 物性研究所本館6階 第2セミナー室 (A612) 講師 : 高橋 晋 先生 所属 : Department of Chemistry and Department of Physics & Astronomy University of Southern California, Los Angeles, California, USA 世話人 : 長谷川幸雄 (内線:63325)

Nuclear Magnetic Resonance (NMR)やElectron Spin Resonance (ESR)法などの磁気共鳴法は、固体、溶液等の試料の形状を問わず非接触、非破壊測定ができ、原子レベルでの構造決定や原子・分子を取り巻く微視的環境を理解できることから、生体分子の立体構造や固体の磁性研究などに幅広く利用されている。しかし、RF波やマイクロ波を検出することによって行われる従来のMR法は、信号検出感度が低く、例えば、通常常温下でESRの観測を行うには1010以上のスピンが必要である。しかし、信号検出感度を大幅に向上することができれば、生体細胞内等生体条件下における磁気共鳴法を用いた分子構造解析や構造変化の観測などを単一分子レベルで行うことが可能になるなど多くの応用が考えられる。
Nitrogen-vacancy (NV)中心は、窒素原子と隣合った空孔から成るダイヤモンド格子の中に存在する常磁性不純物であり、高感度かつ常温動作可能な磁気センサーとしての応用が期待されている。本発表ではNV中心のユニークな物性やスピン感度を大幅に向上させるNV中心を用いたESR(NV-ESR)法の手法及び最近の我々の実験について議論する。

 


(公開日: 2018年11月07日)