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「量子多体効果が生み出す液晶的電子状態 」

日程 : 2018年12月27日(木) 1:00 pm - 2018年12月28日(金) 場所 : 物性研究所本館6階 大講義室(A632) 世話人 : 芝内孝禎、木村剛 、花栗哲郎、小林研介、大串研也、紺谷浩、岡崎浩三
e-mail: isspws@qpm.k.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

近年、鉄系や銅酸化物高温超伝導体における常伝導状態において、電子系が自発的に回転対称性を破る電子状態が実験的に観測され、液晶との類似性から「電子ネマティック」状態と呼ばれている。この液晶的な電子状態と高温超伝導との関連性が盛んに議論され、大きな注目を浴びている。一方で、絶縁体であるフラストレート磁性体に着目してみると、スピン自由度が低温まで秩序を示さないスピン液体の研究が盛んに行われているが、このようなスピン液体でもなく、また教科書的な磁気秩序(スピン固体)でもない、何らかの対称性の破れを伴う中間状態「スピン液晶」という概念が発展しつつあり、スピンネマティック相やカイラルスピン液体などの提案がなされている。また、液晶における回位などのトポロジカル欠陥は、磁気構造体のスキルミオンやソリトンなどとアナロジーが考えられる。このような異なる系で現れる液晶的な電子状態は、いずれも多体系における強い量子揺らぎが本質な非古典的現象であり、背後に共通した原理がある可能性が考えられる。
そこで、今まで直接的なつながりが薄かった、超伝導・異常金属の研究者とスピン系の研究者が集まって液晶的電子状態を統一的に議論する機会を設けることで、異なる系における普遍性と多様性を整理し、理解への足掛かりとしたい。

詳細ページ: https://sites.google.com/edu.k.u-tokyo.ac.jp/isspws-qlc


(公開日: 2018年11月01日)