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固体における高次高調波の発生機構

日程 : 2018年4月27日(金) 14:00 - 15:00 場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 講師 : 玉谷 知裕 氏 所属 : 東京大学物性研究所 世話人 : 加藤 岳生 (63255)講演言語 : 日本語

原子分子気体における高次高調波発生は紫外からX線領域におけるアト秒パルス光源としての有用性から現在までに盛んに研究されて来た[1]. それに対して近年, 高強度THz光の発生が可能となり半導体を初めとする凝縮系を用いた高次高調波発生が注目されている[2]. これはTHz光における光子エネルギーが半導体の典型的なバンドギャップエネルギーと比較して非常に小さく, さらに安定した電場波形を形成できることから高次高調波発生に対する高効率な制御が実現できると期待されるためである. しかしながら,このような実験的進歩にも関わらず高強度THz光照射下での凝縮系における高次高調波の理論は未だ十分ではない. 何故なら,高強度THz光照射下のキャリアダイナミクスは非摂動的非線形光学過程であるのみならず,非断熱的過程をも包括する必要があるからである. 以上の状況を踏まえ,本講演では, 半導体に高強度THz光を照射した際のキャリアダイナミクスを非摂動的かつ非断熱的に記述し, それによって生じる高次高調波発生のメカニズムを理論的に解明する[3, 4]. さらにそれらを踏まえ,グラフェン[5]や遷移金属ダイカルコゲナイド[6]における高次高調波の特異な性質を説明する.

Reference
[1] T. Brabec and F. Krausz, Rev. Mod. Phys. 72, 545 (2000).
[2] O. Schubert et al., Nature Photon. 8, 119-123 (2014).
[3] T. Tamaya, A. Ishikawa, T. Ogawa, and K. Tanaka, Phys. Rev. Lett. 116, 016601 (2016).
[4] T. Tamaya, A. Ishikawa, T. Ogawa, and K. Tanaka, Phys. Rev. B 94, 241107(R) (2016).
[5] N. Yoshikawa, T. Tamaya, and K. Tanaka, Science 356, 736 (2017).
[6] T. Tamaya, S. Konabe, and S. Kawabata, arXiv:1706.00548.


(公開日: 2018年04月13日)