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結合クラスター理論に基づいた1電子スペクトル計算

日程 : 2017年12月22日(金) 4:00 pm - 5:00 pm 場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 講師 : 松下 雄一郎 氏 所属 : 東京大学大学院工学系研究科 世話人 : 杉野修 (63290)
e-mail: sugino@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

密度汎関数理論(DFT)は弱相関物質に対して適用された際に、極めて精度良く電子状態や原子構造を記述することが知られており、解析・予言の様々な面で用いられてきた。しかし、強相関電子系を代表とするいくつかの系においては定性的にも誤った結果を出す事が知られている。一方で、波動関数理論は孤立系(原子・分子系)へと適用され、DFTを超えた高精度計算がなされている。しかし、一般に波動関数理論の下では全エネルギーに対する信頼性の高い計算が可能となる一方で、エネルギー準位(1電子準位)の解析に関しては極めて限定的であった。本研究では、波動関数理論としてcoupled-cluster(CC)理論を採用し、CC理論の下で1粒子グリーン関数を構築する事により1電子スペクトルを計算し、厳密解と比較を行った。その結果、準粒子スペクトルを極めて良い精度で再現すること、さらにはサテライトピーク(共鳴準位)に関しても再現される事を見出した。本発表では、孤立原子を中心に結果を紹介する。


(公開日: 2017年12月11日)