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準周期系における強相関効果

日程 : 2017年8月1日(火) 4:00 pm - 5:00 pm 場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 講師 : 古賀 昌久 所属 : 東京工業大学 理学院 物理学系 世話人 : 常次 宏一 (63597)
e-mail: tsune@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

最近、Au-Al-Yb準結晶において比熱や帯磁率にべき的な発散が出現する量子臨界性が観測され[1]、準結晶に関する研究がさらに注目を集めている。準周期構造の最もシンプルなものとして、二種類の菱形から構成されるペンローズ格子がある。この格子上のタイトバインディング模型には、無限に縮退した束縛状態があり、ハーフフィリングにおいては、そのエネルギーがフェルミレベルに一致している特徴がある[2,3]。そのため、この系に相互作用を導入すると、興味深い相関効果が期待されている。本講演では、この束縛状態に関する議論を深めることにより、弱相関極限における磁気秩序に関するいくつかの厳密な結果を導出する。また、異なる磁気構造をもつ強相関極限[4]へどのようにクロスオーバーするのかについても議論する。

[1] K. Deguchi, S. Matsukawa, N. K. Sato, T. Hattori, K. Ishida, H. Takakura, and T. Ishimasa, Nat. Mat. 11, 1013 (2012).
[2] M. Kohmoto and B. Sutherland, Phys. Rev. B 34, 3849 (1986).
[3] M. Arai, T. Tokihiro, T. Fujiwara, and M. Kohmoto, Phys. Rev. B 38, 1621 (1988).
[4] A. Jagannathan, A. Szallas, S. Wessel, and M. Duneau, Phys. Rev. B 75, 212407 (2007).


(公開日: 2017年07月18日)