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空間群の表現に基づくトポロジカルバンド構造の指標

日程 : 2017年7月12日(水) 4:00 pm 〜 場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 講師 : 渡辺 悠樹 先生 所属 : 東京大学工学系研究科 物理工学専攻 世話人 : 中辻 知 (ext. 63240)

我々の身の回りの非磁性結晶は230個の空間群、磁性結晶は1651個の磁気空間群に分類される。本講演では「これらの対称性を持つ物質がどのようなトポロジカルバンド構造を実現しうるか?」という重要な問題について議論する。

よく知られているように、Z_2トポロジカル絶縁体の指標はもともとPaffianをk空間で積分したもので与えられるが、系が反転対称性を有する場合にはこの煩雑な計算を実行する必要はなく、TRIMにおける占有軌道のパリティを掛け合わせればよい。この事実は単に指標の計算を簡略化するにとどまらず、より一般に「バンド反転(band inversion)を起こせばトポロジカル絶縁体になる」という指導原理を与え、具体的なトポロジカル絶縁体の物質を探索する上で役立ってきた。

この「反転対称性のパリティに基づくトポロジカル絶縁体の指標」を一般化した「(磁気)空間群の表現に基づくトポロジカル(結晶)絶縁体・トポロジカル半金属の指標」について説明し、具体例として、磁性体中のワイル半金属について議論する。

[1] Hoi Chun Po, Ashvin Vishwanath, HW, Nature Communications, 8, 50 (2017)

[2] HW, Hoi Chun Po, Ashvin Vishwanath, in preparation.


(公開日: 2017年07月07日)