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竹内名誉教授(元所長) 瑞宝中綬章受章

元物性研究所長(平成3-8年度)で東京大学名誉教授の竹内伸先生は、東京理科大学長、物性研究所長としての教育研究の運営への貢献と共に、物質科学分野における研究への多大の貢献に対して、平成27年秋の瑞宝中綬章を受章されました。

竹内先生は、さまざまな結晶の単結晶を用いた塑性実験および転位論に基づく解釈から、新しい結晶塑性概念を確立して結晶塑性論の発展に世界的貢献をしてこられました。また、30年前に発見された新物質の凖結晶に関して、その特異な電気伝導挙動、相転移、高温塑性などについて先駆的な研究を行い、凖結晶研究の発展に多大な貢献をされました。

特に顕著な学術上の業績としては、(1)Fe合金単結晶を用いた系統的研究による「異方塑性現象」の発見と転位論的解明、(2)L12型化合物における「異常塑性」現象の確立と機構についての”Takeuchi-Kuramoto model”の提唱、(3)多くの半導体結晶についての「励起促進転位運動」現象の確立と機構の解明、(4)準結晶が合金でありながら非金属的な伝導挙動を示すことの発見、(5)準結晶における規則―不規則変態の発見、(6)凖結晶特有のフェイゾン揺らぎの直接観察の成功、(7)室温では脆い準結晶が高温で加工軟化を示す特異な塑性の研究、等が挙げられます。

なお、竹内先生は、平成3年度から8年度まで物性研究所長として研究所の運営にご尽力されました。

(公開日: 2015年11月10日)