Home >  ニュース > 笠松秀輔氏(物質設計評価施設・助教)、齋藤成之氏(板谷研究室・修士課程2年)、栗原貴之氏(元・末元研究室博士課程、現・Kanstanz大学研究員)が第40回応用物理学会講演奨励賞を受賞

笠松秀輔氏(物質設計評価施設・助教)、齋藤成之氏(板谷研究室・修士課程2年)、栗原貴之氏(元・末元研究室博士課程、現・Kanstanz大学研究員)が第40回応用物理学会講演奨励賞を受賞

  応用物理学会では、春季および秋季の学術講演会において,応用物理の視点から極めて優れた一般講演(口頭・ポスター講演)を行った若手会員に応用物理学会講演奨励賞を授与しています。第40回(2016年春季)応用物理学会講演奨励賞を下記の方々が受賞しました。

(1) 物質設計評価施設・助教 笠松秀輔氏
講演題目 : 強誘電体薄膜のドメインダイナミクスと負のキャパシタンスの第一原理計算
ナノメートルスケールのキャパシタに電圧を印加したシミュレーションを行うための第一原理計算手法を考案し、常誘電体/強誘電体薄膜2層キャパシタに適用しました。これによって、電圧印加下での強誘電体における分極ドメイン構造の変化と、実験で観察されている「負のキャパシタンス」発現の第一原理シミュレーションに初めて成功しました。

(2) 板谷研究室 修士課程2年 齋藤成之氏
講演題目 : 極紫外アト秒パルスの赤外電場によるストリーク計測
世界で初めて可視・近赤外領域より長波長(λ=1600 nm)の赤外レーザー光源を用いたアト秒高次高調波発生とストリーク法によるパルス計測を行いました。長波長のレーザー光源は光子エネルギーの高い高次高調波発生が可能であるため、アト秒X線吸収分光の観点から注目されています。

(3) 元・末元研究室博士課程(現・Konstanz大学物理学科 Alfred Leitenstorferグループ 滞在研究員) 栗原貴之氏
講演題目 : 巨視的磁気秩序の高強度テラヘルツ近接磁場によるコヒーレント制御
この研究では、磁性体ErFeO3におけるレーザー光誘起相転移(スピン再配列転移)の初期過程を高強度テラヘルツ波中の磁場によって変調することで、バルク試料全体に及ぶ巨視的な磁化方向を制御することに初めて成功し、テラヘルツ波の磁気デバイス等への応用可能性を拓きました。

第40回(2016年春季)応用物理学会講演奨励賞受賞者紹介のページ
https://www.jsap.or.jp/activities/award/lecture/dai40kai.html

左から 笠松氏、齋藤氏、栗原氏
(公開日: 2016年10月05日)