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東野寿樹氏と吉田順哉氏(森研究室、博士研究員)が国際会議ICSM2016にてBest Poster Awardを受賞

2016年6月26日~7月1日に、広州バイユンインターナショナルコンベンションセンター(中国広州市)で開催された国際会議ICSM2016 (The International Conference on Science and Technology of Synthetic Metals in 2016、参加者約1100人)では、優れたポスター発表にBest Posters Awardを設けています。

本会議では、東野氏と吉田氏が「Best Posters Award」を受賞しました。
(1) 新物質科学研究部門・森研究室・博士研究員の東野寿樹氏
講演題目”Symmetric and Asymmetric Methoxy-substitution on BTBT: Steric and Hydrogen-bonding Interactions”
対称型・非対称型水素結合系の新規有機半導体を開発し、分子集積構造とトランジスタ特性との相関について調べました。対称型分子からなる薄膜は、非対称型分子の薄膜より水素結合形成が有効にはたらくため結晶性が極めて高く、優れたトランジスタ特性を示すことを実験的に明らかにしました。フレキシブル・ウエアラブル・インプランタブルデバイスの実現に向けた有機半導体材料開発のための新たな分子設計指針につながる研究となります。

(2) 新物質科学研究部門・森研究室・博士研究員の吉田順哉氏
講演題目“A New Type of Purely Organic Conductor based on (H2Cat)2-TTF: Deprotonation-induced Unique Hydrogen-bond/Electronic Structures”
水素結合の多様な電荷を活用した新規純有機伝導体の開発に成功しました。この物質では、水素結合部の脱プロトン化あるいは酸化による様々な水素結合の形成で、系の中性を保つように電子ドナーが酸化され、自己キャリアドープが実現し、伝導性や磁性などの電子物性が制御されています。これは水素結合を利用した新しい導電性有機エレクトロニクス材料の開発に繋がる研究となります。

以上の研究成果が高く評価され、受賞に至りました。

東野寿樹氏 吉田順哉氏
(公開日: 2016年07月13日)