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加藤研の長谷川雅大氏、NESMCQ18 Poster prizeを受賞

物性理論研究部門加藤研所属の長谷川雅大氏(博士大学院生)が、7月25日から31日にかけてイタリアはエーリチェで開催された、New Trends in Nonequilibrium Statistical Mechanics: Classical and Quantum Systems (NESMCQ18)において、The NESMCQ18 Poster prizeを受賞しました。

news20180806NESMCQ18は、非平衡物理学をキーワードに、古典・量子系問わず、理論と実験の両分野の研究者が集い意見交換することを目的とした国際会議です。今回は、ポスター発表の中から優秀な発表4件についてポスター賞が贈られました。

受賞対象となった発表タイトルは”Quantized pumping via a single-level quantum dot in coherent transport region”です。

本研究は、長谷川氏がフォトンサイエンス・リーディング大学院(ALPS)のコースワークでフランスはグルノーブルにあるLaboratoire de Physique et Modélisation des Milieux Condensés(LPMMC)に3ヶ月滞在した際に、当該研究所の所員であるRobert Whitney氏とその学生のÉtienne Jussiau氏と行った共同研究で、電子浴と結合された単一準位量子ドットに断熱的かつ周期的な外場変調の印加によって生じる電荷輸送(断熱電荷ポンピング)について理論的に議論したものです。

断熱電荷ポンピングは、一周期の操作によって輸送される電荷量が特定の値に量子化されるという事が知られています。
本研究は、量子ドットのエネルギー準位が外場変調によって変化することでフェルミエネルギーを横切る事がこの量子化の機構であることを指摘し、特定の電子浴の状態密度によってはこの機構が機能しなくなり、量子化される値が例外的に変化しうることを初めて明らかにしたことが評価されました。

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(公開日: 2018年08月06日)