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中辻助教授が第1回凝縮系科学賞受賞

  物性研究所新物質科学研究部門の中辻 知助教授が、第1回凝縮系科学賞を受賞されました。同賞は、凝縮系科学に従事するすぐれた若手研究者を奨励することを願い、青山学院大学の秋光純教授と東京理科大学の福山秀敏教授が私費を投じて2006年より創設したものです。第1回受賞者は、 実験部門で中辻 知氏と、理論部門で 村上修一氏(東京大学大学院工学系研究科)が選考されました。 中辻 知氏は、電子相関の強い系での低温磁性が専門で、最近では特に、幾何学的フラストレーションにより期待される新しい量子磁性現象の発現を目指した磁性体の研究開発をされています。なかでも、京都大学大学院理学研究科、前野悦輝教授の研究グループと共同で開発された三角格子スピン系での新しい2次元量子磁性状態の発見、3次元パイロクロア金属でのスピン液体的基底状態と異常な輸送現象の発見は特に注目されるものです。今回の賞はこうした「幾何学的フラストレーションを持つ新物質の開拓」に対して授与されました。固体物理学では、物質開発による新しい物理概念の創造が発展の推進力であり、氏のさらなる活躍が期待されます。表彰式は、2007年1月5日に 東京大学・弥生講堂で行われ、秋光 純同賞選考委員長から賞状その他が贈られました。

(公開日: 2007年01月05日)