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八木健彦教授 ブリッジマン賞を受賞

新物質科学研究部門の八木健彦教授が、2007年のBridgman Award を受賞されることになりました。同賞は世界各国が持ち回りで隔年ごとに開催する「高圧力の科学と技術に関する国際会議」(AIRAPT)で、高圧科学の進展に大きな貢献をした科学者に贈られる国際的な賞です。この賞は、高圧研究で1946年度のノーベル物理学賞を受賞したP.W.Bridgmanの名前を冠して1977年に創設され、それから2年ごとに1名ずつ受賞者が選ばれてきました。八木教授は長年さまざまな高圧実験装置とシンクロトロン放射光を組み合わせて超高圧高温X線実験のフロンティアを開拓し、それを用いて地球深部物質の物性研究やさまざまな物質の高圧相転移の研究に貢献してきました。その主なものとしては、地球の下部マントルを構成する最も主要な鉱物であるケイ酸塩ペロフスカイトの物性や、遷移金属酸化物の高圧相転移に関する先駆的研究、SiO2のポストスティショバイト相の発見、また六方晶ダイヤモンドやフラーレンの高圧研究などがあげられ、これらの業績が国際的に高く評価されて、今回の受賞者に選ばれたものです。なお1991年には圧力誘起半導体-金属転移に関する先駆的研究の業績で、物性研究所超高圧部門初代所員の故箕村茂先生が同賞を受賞されており、今回は日本人として2人目の受賞者となりました。授賞式と受賞記念講演は、本年9月にイタリア・シチリア島のカタニアで開かれる 第21回AIRAPTの冒頭に行われる予定です。

http://www.unipress.waw.pl/airapt/

(公開日: 2007年05月31日)