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大谷義近教授、日本磁気学会・2009年度優秀研究賞を受賞

大谷義近教授

ナノスケール物性研究部門の大谷義近教授の【非局所スピン注入を用いた純スピン流の生成と捜査に関する研究】が日本磁気学会の2009年優秀研究賞を受賞しました。本賞は、磁気の学理と応用研究の進展に大きく寄与する優れた功績が認められる研究に対して与えられます。

受賞理由として、スピンエレクトロニクスにおいて応用的にも基礎的にも重要なスピン流の研究に世界でも早くから取り組み、電流を伴わない純スピン流を銅などの非磁性体中に定常的に顕在化させる独自の手法を確立したこと、その後、さらにスピン緩和の指標となるスピン抵抗を考慮して制御性良くスピン流を注入する非局所スピン注入技術に発展させたこと、さらにこの技術を用いて、純スピン流によるスピン注入磁化反転の検証実験や白金の室温スピンホール効果の実験に世界で初めて成功した事が挙げられます。これら一連の研究で確立した純スピン流の生成・操作手法は、非局所スピンバルブを用いた磁気読み取りヘッドへの応用の可能性を示唆したばかりでなく、純スピン流誘起磁化反転手法はマイクロ波発振素子等の次世代スピントロニクスデバイスへの応用が期待されています。

(公開日: 2009年10月07日)