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小簑剛さん(学生)第6回東京大学学生発明コンテスト・産学連携本部長賞を受賞

小簑剛氏
ガラス基板に塗布したフタロシアニンと銅フタロシアニン薄膜

 新物質科学研究部門、田島研究室の小簑剛(こみのたけし)氏 (理学系研究科博士課程3年) が、第6回東京大学学生発明コンテストで産学連携本部長賞を受賞しました。同コンテストは、本学の学生に権利主張を行うトレーニングの機会を与えることを目的に、毎年1回、東京大学生産技術研究所、東京大学産学連携本部、財団法人生産技術奨励会の共催で開かれています。受賞対象となったのは、「スピンコートによる無修飾フタロシアニン製膜法の開発」です。
 フタロシアニンは、有機薄膜素子の材料として注目されている化合物ですが、水や有機溶媒に難溶であるため、液相からの薄膜化が困難でした。それゆえ、一般的に、液相からのフタロシアニン薄膜の製膜には、環周囲や中心金属の軸配位子として疏水性あるいは親水性の置換基を導入したフタロシアニンが用いられています。受賞の発明は、無修飾の平面フタロシアニンをトリフルオロ酢酸とクロロベンゼンの混合溶媒に溶解し、それをガラス基板へ直接塗布する方法を発明したものでした。この手法は、ガラス以外の基板にも応用することが可能で、フタロシアニン類を用いた電子素子のプロセス技術の発展に貢献することが期待されます。

(公開日: 2009年02月26日)