物性理論研究部門の大谷実助教（現産総研）杉野修准教授が、阪大の濱田幾太郎研究員（現東北大）森川良忠准教授、NECの岡本穏治氏、産総研の池庄司民夫部門長と著した論文が、日本物理学会の第14回日本物理学会論文賞を受賞しました。本賞は独創的な論文の発表により、物理学の進歩に重要な貢献をした研究者の功績を称えるために制定されたものです。受賞対象となった論文は、「Electrode Dynamics from First Principles（第一原理からの電極反応ダイナミクス）」で物理学会誌（Journal of Physical Society of Japan）の７７巻024802ページに昨年掲載されたものです。
http://jpsj.ipap.jp/link?JPSJ/77/024802/

授賞理由として、電極/水界面での非平衡動的反応過程を十分な精度で処理できる実用的な第一原理計算手法を初めて開発しそれを白金/水界面での化学反応の微視的詳細の解明につなげたこと、および、そのアプローチが一般的な異種界面での非平衡問題を微視的に理論研究する上での標準的な手法を与えていること、が挙げられています。出版後約１年という早い段階での受賞は異例なことと言えます。表彰式は本年3月29日（日）の午前、第64回年次大会のレビューセッションに先立ち、レビューセッション会場である立教大学タッカーホールにおいて行われました。詳細は日本物理学会のサイトをご覧ください。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/jps/guide/ronbunsyo/ronbun14-2009.html