日本物理学会では、将来の物理学を担う優秀な若手研究者の研究を奨励する目的で、若手奨励賞を設けています。この度、第5回の受賞者の一人として内海裕洋三重大准教授（元物性研物性理論研究部門・加藤研究室助教）が選ばれました。内海裕洋氏は、メゾスコピック素子における非平衡定常状態でなりたつ最近発見された原理(揺らぎの定理)を利用し、非線形伝導特性やショットノイズなどの電流分布に関する理論を構築しました。この結果は、最近になってアハラノフ-ボームリング量子干渉実験で検証されました。

対象論文：
“Nonequilibrium fluctuation relations in a quantum coherent conductor”, Phys. Rev. Lett., 104, 080602 (2010)
“Bidirectional single electron counting and the fluctuation theorem”, Phys. Rev. B81, 125331　(2010).
“Fluctuation theo,rem in a quantum dot Aharonov-Bohm interferometer”, Phys. Rev. B79,235311 (2009).

第5回若手奨励賞 受賞者一覧
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/WakateA/wakate2011.htm