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北川健太郎氏(滝川研究室特任研究員)が第6回(2011)凝縮系科学賞を受賞

北川健太郎氏

北川健太郎氏(滝川研究室・特任研究員)が第6回(2011)凝縮系科学賞を受賞することになりました。北川氏は、方位制御のための2軸回転が可能なコンパクトなサイズを持ちながら、10 GPa 級の超高圧が発生可能で、従来ものに比べて一桁近く大きな7 mm3 という試料体積を持つこれまでに類のないデザインと性能を持つ画期的な圧力セルの開発に成功しました。さらにその成果を、鉄ニクタイド化合物単結晶SrFe2As2の超高圧下NMR 測定に適用し、元素置換による不純物効果の影響を受けない圧力誘起超伝導状態は、これまでに例のない構造転移も関係した磁性と超伝導の共存状態であることを発見しました。今回、開発に成功した画期的な超高圧セルは、高圧の専門家からも注目され、例えばJ-PARC で開発中の高圧下中性子回折実験装置などにも役立っています。この技術開発は、物性科学のフロンティアを切り拓くことが期待でき、凝縮系科学賞に値する研究業績です。

対象論文:
[1] K. Kitagawa, H. Gotou, T. Yagi, A. Yamada, T. Matsumoto, Y. Uwatoko, and M. Takigawa, J. Phys. Soc. Jpn. 79, 024001-1-8, (2010) (JPSJ Papers of Editors’ Choice).
[2] K. Kitagawa, N. Katayama, K. Ohgushi, M. Yoshida, and M. Takigawa, J. Phys. Soc. Jpn. 77, 114709-1-6 (2008).
[3] K. Kitagawa, N. Katayama, H. Gotou, T. Yagi, K. Ohgushi, T. Matsumoto, Y. Uwatoko, and M. Takigawa, Phys. Rev. Lett. 103, 257002-1-4, (2009).

(公開日: 2011年11月18日)