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佐野亜沙美氏(元八木研究室・学振特別研究員)が日本中性子科学会第9回奨励賞を受賞

日本原子力研究開発機構の佐野亜沙美氏(元八木研究室・学振特別研究員)が第9回の日本中性子科学会奨励賞を受賞されました。この賞は中性子科学に関して優秀な研究を発表した若手研究者に授与されるもので、受賞理由は「地球深部を構成する鉱物の物性と水素結合の圧力応答に関する研究」です。同氏は物性研在職中、高圧下のX線および中性子散乱実験により含水鉱物の圧力下のふるまいを研究していましたが、それらによって、含水鉱物中の水素結合の変化が鉱物全体の圧縮挙動の変化を引き起こすことを見いだしたほか、マントル遷移層を構成する「無水」鉱物中に僅かに含まれる水素の位置決定に、中性子を用いて初めて成功しました。これら一連の研究が高く評価されて今回の受賞となったものです。現在、東海村のJ-PARCに高圧中性子実験専用のビームライン建設が進んでいますが、同氏の研究業績はビームライン完成後の高圧中性子科学の展開にも大きく寄与すると期待されています。

対象論文:
[1] A. Sano-Furukawa, T. Kuribayashi, K. Komatsu, T. Yagi, E. Ohtani, Phys. Earth Planet. Interiors, 189, 56-62, 2011.
[2] A. Sano-Furukawa, H. Kagi, T. Nagai, S. Nakano, S. Fukura, D. Ushijima, R Iizuka, E. Ohtani, T. Yagi, American Mineralogist, 94, 1255-1261, 2009.

(公開日: 2011年12月05日)