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山口啓太氏(末元研究室博士課程2年)がIRMMW-THz 2012 Student Award (First Place)受賞

山口啓太氏

 極限コヒーレント光科学研究センター(旧先端分光研究部門)末元研究室(理学系研究科物理学専攻博士課程2年)の山口啓太氏が2012年9月23日から28日の間オーストラリア、ウロンゴン大学で開催された国際会議IRMMW-THz 2012にてStudent Award (First Place)を受賞しました。この賞はミリ波、テラヘルツ領域などの長波長電磁波に関連した研究のなかで優れた発表を行った大学院生に授与されるものです。山口氏は本会議で ”Observation of Spontaneous Spin Reorientation in ErFeO3 with Terahertz Time Domain Spectroscopy” という題目で発表を行いました。

 同氏はテラヘルツ波の磁場成分をサブピコ秒の磁場パルスとして利用し、磁性体の磁化に直接働きかけ歳差運動を誘起する、超高速スピン励起・制御に関する研究を行ってきました。本発表ではオルソフェライトErFeO3において生じるスピン再配列転移の観測をテラヘルツ時間領域分光法を用いて行い、この相転移を数ピコ秒の分解能で判別できることを示しました。この研究発表が高く評価され今回の受賞となりました。この研究成果は可視超短パルス光を照射することで発生する超高速スピン再配列転移の相転移ダイナミクスの解明などにつながり、スピントロニクスなどの応用面での実用性も期待されます。

 なお、同氏は2011年秋季応用物理学会においても「テラヘルツ波ダブルパルスによる弱強磁性体における超高速スピン制御」という発表を行い、第31回応用物理学会講演奨励賞を受賞しています。

(公開日: 2012年10月03日)