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和泉篤士氏(元・柴山研究室)が「第37回 合成樹脂工業協会 学術奨励賞」を受賞

  元・柴山研究室の和泉 篤士 氏(住友ベークライト株式会社)が、「第37回(2013年)合成樹脂工業協会協会賞 学術奨励賞」を受賞しました。受賞対象となった研究成果は「フェノール樹脂の架橋不均一性解明に関する研究」で、2009~2013年の期間に柴山研究室にて行われた研究です。
  フェノール樹脂は、100年以上前に人類が初めて発明した合成プラスチックであり、現在も熱硬化性樹脂として様々な工業分野で使用され続けています。熱によって硬化することで三次元の架橋ネットワーク構造が形成され、機械強度や耐熱性に優れる不溶不融の樹脂へと変化します。その硬化後の構造は、学術的にも未だ十分に解明されておらず、樹脂の更なる高性能化のためには架橋構造の不均一性解明が必須課題でした。
  受賞対象となった研究では、光・中性子・X線散乱や分子動力学シミュレーションなどを用いたフェノール樹脂の新しい構造解析手法を確立し、架橋不均一性の生成メカニズムに関する新しい仮説構築に成功したものです。本研究成果は、学術的成果のみにとどまらず、架橋不均一性という高次構造制御にもとづく高性能フェノール樹脂開発が期待されるものであり、これらの点が高く評価され、今回の受賞となりました。
  授賞式は、平成25年10月22日に千葉大学西千葉キャンパスのけやき会館(千葉市)にて行われました。

左から2人目が和泉氏
(公開日: 2013年11月15日)