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川崎聖治氏(リップマー研究室)が「第35回(2013年秋季)応用物理学会講演奨励賞」を受賞

川崎聖治氏

ナノスケール物性研究部門リップマー研究室(新領域創成科学研究科物質系専攻博士課程1年)の川崎聖治氏が2013年9月16日から20日の期間、同志社大学で開催されました応用物理学学術講演会にて、第35回(2013年秋季)応用物理学会講演奨励賞を受賞しました。この賞は春季及び秋季の学術講演会において、応用物理学の視点から極めて価値のある一般講演論文を発表した若手会員に授与されるものです。

本講演会において、川崎氏は“FM-AFMによる光触媒SrTiO3上の水和構造観察”という題目で口頭発表を行いました。光触媒は、 環境浄化や太陽光エネルギー変換に応用される材料であり、TiO2,SrTiO3を始めとして、多くの研究が進められています。しかしながら、光触媒の反応場である水と光触媒の界面における水和構造を観察することは難しく、その理解が深まっていないのが現状です。本研究では、固体表面上の水和構造を直接観察することのできる周波数変調型原子間力顕微鏡(FM-AFM)を利用し、光触媒SrTiO3表面上の水和構造を観察しました。光を照射することによって、光触媒表面の水和構造が著しく変化する現象を見出すことに成功しました。この観察は光照射によって固体表面の水和構造が変化する様子を初めて捉えたものであり、光触媒研究を前進させるものとして重要な成果です。本研究は、光触媒の理解を深めるだけでなく、固液界面を利用したデバイス開発など、幅広い応用への展開が期待されるものとして高く評価されました。この発表は神戸大学理学部大西研究室との共同で行われたものです。

(公開日: 2013年11月26日)