VUV・SX高輝度光源利用者懇談会 拡大幹事会報告
日  時:平成11年3月8日 13:30〜17:00

場  所:東大本郷キャンパス 工学部5号館

出席者:藤森  淳、太田 俊明、雨宮 慶幸、伊澤 正陽、宮原 恒、鈴木 章二、高桑 雄二、小森 文夫、小谷 章雄、辛   埴、菅  滋正、大門  寛、中村 典雄、尾嶋 正治、木下 豊彦、柳下  明、高倉かほる、見附孝一郎、上野 信雄、藤澤 正美

オブザーバー:壽榮松宏仁、小間篤、福山秀敏、藤井 保彦、神谷 幸秀、事務局

1.計画の進捗状況について

 神谷氏より、平成11年度概算要求の経緯および、平成12年度概算要求に向けた加速器と建物の設計についての説明があった。加速器設計では、エネルギーを最大1.2GeVまで変化できること、エミッタンスを高くしてビーム寿命を10時間以上とすることができること、長尺アンジュレーターが分割使用可能であるなどが報告された。また、建物設計では、実験室を拡張し実験ホールの面積が広くなったことなどが報告された。また、平成11年度の予定として、柏にSOR新実験棟(東京大学高輝度光源推進室)が建設されること、調査費的経費「次世代放射光科学のための基礎研究経費」が継続されること、本部から全学支援経費が配分される見通しであることが紹介された。
 辛氏より加速器と建物の設計に基づいて、分光器とビームラインが定期的に検討されていることが報告された。続いて藤沢氏より、具体的なビームラインの例として、短尺アンジュレータ用ビームラインと偏向電磁石用ビームラインの説明があった。

2.学術審議会特定研究領域推進分科会加速器部会と同部会ワーキンググループの現状について

 藤井氏より、この1年足らずの加速器部会および同部会『加速器科学関係機関における今後の連携協力の在り方に関する』ワーキンググループでの議論が紹介された。放射光施設のうちVUV・SX領域の計画では、東京大学の計画(以下東大計画)と東北大学の計画(東北大計画)が議論されていることが報告された。

3.他計画との関係について

 壽榮松氏より、東京大学での計画推進の経緯と現状について説明があった。計画推進に関する人員配置の問題は現在解決しており、高輝度光源研究センターの用地(柏キャンパスの第?期分の土地)の取得の見通しもたっていることなどが報告された。
 鈴木氏より、これまで地域共同利用施設として位置付けてきた東北大計画は、今後全国共同利用施設とする計画である旨説明があった。
 また、中村氏より、SPring-8における長尺SXアンジュレータービームライン計画と東大計画の長尺アンジュレータービームラインとの比較が報告された。500eV以下では東大計画が優位であることや、250eV以下の放射光の供給がSPring-8では難しいことなどが指摘された。
 種々の議論の結果、本懇談会では、第3世代高輝度VUV・SX光源全国共同利用施設として技術的学術的制度的検討が長年にわたって行われてきた東大計画の実現を希望していることを確認した。今後、このような第3世代高輝度VUV・SX光源全国共同利用施設の検討の経緯と現状、さらに他計画との関係についてなどを各方面に知らせる努力を行うこととした。

4.今後の活動方針について

 議論の結果、本懇談会は、加速器部会での第3世代高輝度VUV・SX光源計画に関するヒヤリングを、東京大学が要望するようにはたらきかけることとした。また、高輝度VUV・SX光源の建設推進についての表明文を作成することとした。表明文は、非専門家にも広く理解を得る内容とすることとした。

5.ビームライン利用計画研究会の開催と計画書の更新

 本年5月に開催予定のビームライン利用計画研究会をできる限り早期に開催することとした。その際に、1GeV加速器の性能を生かす計画の提案や変更案を広く募ることにした。

6.その他

 上記の議論をふまえて、東大計画に対する意見を交換した。


Monday,10,May,1999

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