総会報告 藤森 淳(東大理)
 平成11年度の高輝度光源利用者懇談会総会が、1月7日、放射光学会会場の高エネ研のレクチャーホールで開かれ、30名余りが参加した。まず、藤森が新任の挨拶と新幹事を紹介し、会則の改定について報告した。続いて、大門氏が会計報告(途中経過)を、尾嶋氏がニュースレター編集についての報告を行なった。続く神谷施設長の計画現状報告では、田無から柏への施設移転の予算が認められたこと、加速器のパラメーターが確定してきたことなどがアナウンスされた。平成11年度に高輝度光源計画の予算が認められなかった主な原因は文部省の財政難であり、東京大学当局が高輝度光源が計画を積極的に推していることについては変わりないとのことであった。次に、辛氏よりビームライン検討会の報告があり、サブグループ(基幹チャンネル、制御系、斜入射分光器、直入射分光器)の活動状況報告、次回の研究会(生物分野)のアナウンスなどがあった。本計画の生物学研究における意義などについて、この総会に東京よりかけつけた福山物性研所長(当時東大理)も熱心に質問されていた。斜入射分光器の検討結果について藤沢氏より詳しい説明があり、実験ホールにおけるビームラインの配置案がいくつか紹介された。わずか2本の直線部をいかに効率良く利用するかが今後の検討課題で、そのためには現在ユーザーから出されている利用計画を整理・統合し、光学系に要求されている性能を再検討することが必要なことが見えてきた。最後に、共同利用方針の検討状況について藤森より報告があったが、詳細は本号の「共同利用方針の検討」を参照されたい。

 現在、高輝度光源計画には財政難が立ちはだかっているが、柏キャンパス計画を推進してきた東京大学からすれば、高輝度光源なしには柏キャンパス・プランは完成したとは言えない。高輝度光源計画への強力な支援が続いていることに希望を持って準備を進めるべき時だと思う。


Monday,10,May,1999

NEWSLETTER No.5 目次

高輝度光源利用者懇談会

軌道放射物性研究施設