共同利用方針の検討 藤森 淳(東大理)
 高輝度光源センターにおける共同利用課題の申請・採択、ビームラインの維持・管理、ビームタイムの配分等をどのような方針で行うかは、全国共同利用施設である高輝度光源センターの運営にとって非常に重要な事項ですので、ユーザーの意向を反映しながら十分に検討を重ねることが望まれます。本計画では、これまで以下のような過程で検討を行なってきました。

 共同利用方針を計画の段階から議論することの必要性が7月1日の幹事会で神谷施設長より指摘され、菅、宮原、神谷の各先生及び藤森からなる小委員会で素案の検討を行なうこととなりました。小委員会は10月23日に開催され、素案が作られました。その素案が11月27日の幹事会でさらにいろいろな観点から検討され、下記の「共同利用の方針案」となっています。幹事会では、ビームライン建設の可能性を広げることも考えて、項目(2)b') が付け加えられました。(1)の採択課題の有効期間については意見が分かれましたが、現案では半年間としました。ただし、この方針案は、共同利用の精神をうたったもので、詳細を規定したものではありません。また、あくまで「案」ですので、これから変更・細部の検討がされ、変更されて行くことが前提となっています。例えば、専有ビームタイムの割合は素案のままで、まだ検討がなされていません。よりよい共同利用が行われるように、多くの方から御意見をいただければ幸いです。

<共同利用の方針案>98.11.27訂正

 共同利用の運営、ビームラインの維持・管理、ビームタイムの配分は以下の基準にしたがって行なう。

1)共同利用等の課題申請および採択

 a)共同利用および専有マシンタイムを含むすべての利用課題は、課題申請をおこない審査を受け、採択されたものがビームタイムの配分を受ける。
 b)課題審査及びビームライン配分は課題審査委員会にて半年ごとに行なう。課題審査委員会およびこれが委嘱するレフェリーは、学内外の者をもってあてるものとする。
 c)共同利用等の課題申請および課題採択業務については、センターが一括してこれを行なう。共同利用等にかかわって必要となるその他の事務もセンターが行なう。

2)ビームラインの維持・管理およびビームタイムの配分

 a)センターが建設したビームラインは100%全国共同利用に供され、その維持・管理はセンターが行なう。
 b)センター予算により学内関連部局(群)(以下、当該部局と呼ぶ)が建設したビームラインは、当該部局が維持・管理を行ない、全ビームタイムのうち約60%を当該部局が専有し、残り約40%を当該部局が責任をもって共同利用に供するものとする。
 b')センター予算により学外諸機関(群)(以下、当該機関と呼ぶ)が建設したビームラインは、当該機関が維持・管理を行ない、全ビームタイムのうち約60%を当該機関が専有し、残り約40%を当該機関が責任をもって共同利用に供するものとする。
 c)センター予算により学内外のユーザーグループ等が建設したビームラインにおいて、当該ユーザーグループが主体的に維持・管理に参画する場合には、全ビームタイムの約50%を当該グループが専有し、残り約50%を当該ユーザーグループが責任をもって共同利用に供するものとする。
 d)センター以外の学内外の諸機関が自らの予算処置をもって建設したビームラインは、当該機関がその維持・管理の責任を負うものとし、全ビームタイムの約75%を当該機関が専有し、残り約25%をその機関が責任をもって共同利用に供するものとする。

3)ライナックの低速陽電子利用については、当該ユーザグループが建設し、維持管理を行なうことを基本とする。

4)センターは積極的に共同利用の支援や長期滞在者への便宜を図るものとする。
 


Monday,10,May,1999

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