延伸セル設置方法


sample changer(試料ホルダー入れ)の撤去と延伸セルへの乗せ変え

まず、ビームシャッターを閉じ、衝撃による破損を防ぐため、フライトチューブの中性子入射口にカバーをかける。

1.sample changerの試料ホルダー入れに接続しているNESLABチューブを取り外す。
2.試料ホルダー入れを固定している固定ピンを取り外し、試料ホルダー入れを駆動部より取り外す(このとき、Temconに接続している熱電対に負荷がかからないように注意する。
3.延伸セルのジャケット(温調部)を駆動部に取り付ける(4つの固定ピン使用、対称位置に大きなピンでしっかりと固定した後、もう一方の対称位置は小さなネジで固定)。ジャケットはケガキの光軸に垂直になるよう固定する。
4.ジャケット(温調部)のNESLAB接続部位に水弁変換コネクタを取り付ける(SANS-Uに付属しているNESLABの水弁と延伸セルに付いている水弁は直接接続不可であるため、変換コネクタを通して接続する)。

 

延伸セルの位置決め

延伸セルの位置はsample changerのX-Z軸を動かし決定する。Z軸の位置決めに、レーザー(水平方向と垂直方向にビームが出る)を用いる。

Z軸あわせ

1.延伸セルのジャケット(温調部)は、窓枠のcenter部を横断する横線が引いてある(引いていないようであればcellの上部と下部に平行になるように、また、窓枠のcenter位置を横断するように引く)。
2. フライトチューブの上流側の面に光軸が書いてあるので、それより1.5 mm下に水平ビームを入れる(2010.8.26現在)。
3.ビームと延伸セルに引いた線が一致するようにZ軸を動かす。(このとき、X軸も動かし、延伸セルの窓枠が光軸上に乗るように大まかに設定していると後のX軸合わせの操作がしやすくなる)

X軸あわせ

1.まず、3 mm径の穴のあいたカドミの板を準備する(写真参照)。
2. 延伸セルは目盛りがカドミの短軸と同じになるようコントローラーで動かす。
3.カドミの板を延伸セルに貼付ける(アルミテープでしっかりと固定)。

4.使用する径のビームにて以下の手順でX軸合わせを行う。
 I.高分解能検出器をINにする(Attenuatorを入れて出し入れする)。
 II.Attenuatorをいれたまま、高分解能検出器に入射する中性子数をカウントする(10~30秒間)。changer駆動部のX軸を少しずつ動かしながら、透過してくる中性子をカウントし、中心を探す(各ポジションでX軸の値を記録し、Gauss関数等でフィッティングし、カウント数のピークを求める)。

目安(2010.8.20設置時)
(X, Z)=(251.2, 39.7)