マクロ写真館

 

マクロ写真を掲載。
鉱物や合成結晶、そのほか目に付いたものなど。

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ヘヒツベルグ石 / Hechtsbergite

ヘヒツベルグ石 / Hechtsbergite
ヘヒツベルグ石 / Hechtsbergite
Bi2(VO4)O(OH)
福岡県福岡市西区今宿長垂山

長垂山のペグマタイトからはリチウムを主成分とする鉱物が多産することが古くから知られていたが、2012年に九州大学の研究チームによって複数のバナジウム酸塩鉱物が見出された。その一つがヘヒツベルグ石であり、文献ではクーク石中に埋没する産状が報告されている。写真の標本はウェイランド石(Waylandite)というラベルであったが、分析したところヘヒツベルグ石であった。ヘヒツベルグ石は1995年にドイツのHechtsberg採石所で発見され、産地に因んで命名されている。


ウェイランド石 / Waylandite
ウェイランド石 / Waylandite
ウェイランド石 / Waylandite
ウェイランド石 / Waylandite
BiAl3(PO4)2(OH)6
静岡県下田市河津鉱山

ウェイランド石はウガンダで発見された鉱物で、ウガンダ地質調査所の初代所長であったEdgar James Wayland(1888-1966)に因んで命名された。日本では1999年に静岡県河津鉱山から産出が報告され、後に長野県金鶏鉱山や福岡県長垂山からも産出が確認された。河津鉱山では石英の晶洞中に半透明~白色の菱面体結晶として産出する。


銅藍 / Covellite

銅藍 / Covellite
銅藍 / Covellite
CuS
静岡県下田市河津鉱山

銅藍は古典的な鉱物で、1832年には発見者であるNiccolo Covelli(1790-1829)に因んで命名されている。イタリアからはじめに見出されたが、今では世界中で産出が知られる普遍的な鉱物として認識されている。河津鉱山でも皮膜状で産出することが非常に多いが、稀に石英の晶洞で六角形の結晶として観察される。虹色を帯びた藍青色を特徴とする。


カルジルチ石&ジルコノ石 / Calzirtite & Zirconolite
カルジルチ石&ジルコノ石 / Calzirtite & Zirconolite
カルジルチ石 / Calzirtite : Ca2Zr5Ti2O16
ジルコノ石 / Zirconolite : CaZrTi2O7
愛媛県今治市小大下島

愛媛県小大下島ではエメリーと呼ばれる硬質で暗黒色の岩石が石灰岩中に小規模に伴われる。変質を受けたエメリーは灰チタン石(白色部)を生じ、その中に褐色結晶としてカルジルチ石およびジルコノ石が産出する。肉眼では区別できないが粒の中で両種が混在していることが多い。いずれも化学組成に由来する学名となっている。


輝蒼鉛鉱 / Bismuthinite
輝蒼鉛鉱 / Bismuthinite
輝蒼鉛鉱 / Bismuthinite
Bi2S3
北海道登別市幌別鉱山

輝蒼鉛鉱(Bi2S3)は輝安鉱(Sb2S3)と完全固溶体を形成し、両者は肉眼的にも類似の結晶となる。幌別鉱山ではそのどちらも産出し、中間的な化学組成を示す灰色柱状結晶については幌別鉱と呼ばれた。写真の結晶はBi1.56Sb0.50S2.95の化学組成で、輝安鉱成分をやや含むものの鉱物種としては輝蒼鉛鉱となる。学名は化学組成に因んでいる。


イットリウムゼノタイム&セリウムモナズ石 / Xenotime-(Y) & Monazite-(Ce)
ゼノタイム&モナズ石 / Xenotime-(Y) & Monazite-(Ce)
イットリウムゼノタイム / Xenotime-(Y) : YPO4
セリウムモナズ石 / Monazite-(Ce) : CePO4
福島県玉川村川辺鉱山

希土類元素との単純リン酸塩鉱物は、イオン半径の大きなイットリウム(Y)およびイッテルビウム(Yb)では正方晶系のゼノタイム型構造となり、イオン半径の小さな希土類元素だとモナズ石型構造となる。両者はしばしば共存することが知られ、福島県川辺鉱山からはどちらも産出した。ゼノタイムの学名はギリシャ語で無駄と名誉を意味している。かつてベルセリウスはゼノタイムから初めてイットリウムを分離したと主張したが、残念ながらそれはすでに発見されてたという経緯が由来とされる。モナズ石のほうは最初に知られていた産地では稀少であったので、単独を意味するギリシャ語に因んでいる。


ランキン石&キルコアン石 / Rankinite & Kilchoanite
ランキン石&キルコアン石 / Rankinite & Kilchoanite
ランキン石 / Rankinite (中央透明粒)
キルコアン石 / Kilchoanite(ランキン石周囲の白色雲状)
Ca3Si2O7
岡山県高梁市備中町布賀西露頭

ランキン石とキルコアン石は同じ化学組成で結晶構造が異なる関係となっている。岡山県布賀から産出するスパー石(Spurrite)中には普遍的に含まれているが、破断面からの区別は私にはできない。切断研磨した標本では紫色のスパー石と明瞭なコントラストを示し、キルコアン石は白色雲状に見え、ランキン石はその中心に透明な粒として産出する。ランキン石は1942年に北アイルランドから見出され、物理化学者のGeorge Atwater Rankin (1884-1963)に因んで命名された。キルコアン石については1961年にスコットランドのKilchoanから発見され、学名も発見地に因む。


ストラコフ石 / Strakhovite
ストラコフ石 / Strakhovite
ストラコフ石 / Strakhovite
オープン(上)とクロス(下)

ストラコフ石 / Strakhovite
NaBa3(Mn2+,Mn3+)4[Si4O10(OH) 2][Si2O7]O2·(F,OH)·H2O
大分県佐伯市下払鉱山

ストラコフ石はロシアのハバロフスク地方にあるマンガン鉱山を原産地とする稀少鉱物で、その他には大分県下払鉱山しか産地は知られていない。下払鉱山のストラコフ石はブラウン鉱塊を切る石英脈中に緑色柱状結晶として産出するが、微細なため薄片で観察することになる。高い屈折率と強い分散を特徴とし、多色性にも富む。学名は岩石学者のNikolai Mikhailovich Strakhov(1900-1978)に因んでいる。

 Posted by at 8:28 AM

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